第37話「新世界


上は普通の感想・下は萌え感想です。


第37話「新世界」

最後の日がやってまいりました。
冒頭は先週のおさらいから始まります。

先週から古い換気扇がゆっくり回っています。
これは飛行機のプロペラのイメージなのでしょうか、
もうすぐ、こぼれる光の中へ、新世界へ飛び立てる!
月の心を洗わしているようです。

ですが、名前を書いてから、40秒、いや1分たっても誰も死にません。

驚く月、余裕のニア。
SPKに魅上は取り押さえられ、
リュークに挨拶したニアがトリックの説明を原作は簡潔にしたセリフで進めます。
メロの行動のおかげでノートが偽物であることに気付き貸金庫にあった
本物を丸ごとすり替えたと。
ニアが功績を称えるかのようにジェバンニが
一晩でやってくれましたと名セリフをいい。
ジェバンニは満足そうに自信に満ちた表情です。
SPKとニアは今回、シャープで美しい最高レベルの作画でした。

メロはアニメでは完全にLのため、ニアのために死を覚悟して
高田を誘拐したという解釈のようです、だからヘルメットも取っていたんですね。
ニアとメロの最初で最後の共同作戦は成功し
「二人ならLを越える!」
「言い逃れてみてください!」
ニア側の勝ちを堂々と宣言します。
それに較べてといいますか、なんとも情けない月、魅上のコンビです、
狼狽しきってます。
月が取り乱し自分がキラであることを告白するシーンは
原作より地味な印象を受けましたが声優さんの演技が神がかってましたね、
その後の例の説得力のない演説も非常にいいです。

ニアの正義に関する考え方は割愛され指人形をつぶしながら
クレイジーな大量殺人犯と月を断罪します。

言ってもわからぬ馬鹿どもに失望した月は
そのノートが本物かどうか僕や魅上の名前を書いて見たらどうだ?
と問いかけます。
これハッタリはなかなかいいですね、
思わず興味を皆、引きます、そこですかさず
時計に仕込んだデスノートの切れ端にニアの本名を書こうとする月!

私はデスノート最大のご都合主義はこのシーンだと思っていたりします。
死に神の目を持っていない月がこんなに小さな字を読めるわけないだろ?と、
アニメでも10メートル近く離れていましたよ…(笑)。

しかし、見えてしまうのが火事場の馬鹿力でしょうか?
月の後先考えないニア抹殺も松田の銃声によって破られます、
よりによって馬鹿にしていた松田、月を盲信し、キラに賛同しつつあった
松田に!
松田氏の事をうざったく思った人は1人や2人ではないでしょう、
むしろうざったく思わない人のほうが1人や2人だろうと言う位
松田はピエロ的に配置された人物であり、
異能者ばかりのデスノートにおいて一般大衆の愚鈍さを象徴する
キャラクターでした。
一般人の我々視聴者は見たくない愚かで浅はかな
自分の姿を見せつけられたようで
松田に呆れたり反感を持つのは当然なのです。
ですが、このお話の佳境で一般人が一般人の感性で
月を糾弾してくれました!
親を切り捨てれるような人間の主張など信じられない死んでしまえ!
というしごく共感を呼ぶセリフです。
殺さなきゃだめだと再度銃を撃つシーンは短いものの
素晴らしくスリリングな演出と迫力のある作画で魅せていただき
感嘆しました。
最終回で一番印象に残るシーンでした。
血の海であがく月…
原作以上に痛々しいです。

その後はオリジナル展開です、魅上が月をののしる事なく
自殺をしてしまいます。
神に失望したのか、状況に観念したのかわかりません。
魅上というキャラは自殺をしてもまったく違和感のないキャラですので
これはこれでいいのかもしれません。

その後、手追いの月がなぜか重い扉をあけて倉庫を脱出できるのですが
月を追おうとする相沢たちを
なぜか大声を上げてまで放っておけというニア。
魅上同様、死なせてやりなさいともとれるので、
どうにもニアらしくないセリフなんですが…。
そんなニアに対しきっぱりとあなたの指図は受けないと言い切る相沢でした。
青二才の月や子供のニアにふりまわっされっぱなしだった相沢達
日本捜査本部が大人として、男として自らの決断で発言するという趣旨で
しょうか?

今まで俺様街道爆走のニアは反論に驚いたようですが、
あっさり相沢にまかせることにします。
原作でもニアと捜査本部はたびたび衝突しますが意外とニアが譲歩する
のでそれをモチーフに使ったエピソードなのでしょうか?
(原作でニアが相沢達の情報を聞くだけ聞いて
「ありがとうといったじゃないですか?」
発言をした後、
ニアなりに反省したのか学習したのか非常に丁寧に相沢と
模木を送るようにレスター達に指示するシーンが可愛くて好きでした。)

相沢たちは役立たずのくせに恩人のニアに偉そうだなーとは
思うのですが、このシーンがなければ
ニアノート使用説を排除したアニメでは
ニアは完全無欠というよりお話を終わらせるためだけの
存在になってしまうのでニアの人間味や子供っぽさや
成長過程にあることを表すのに良かったかなとも思います。

ただ日本捜査本部にも贔屓感情のある私からすると
ニアは別に高圧的にものを言ってるわけではないので
相沢の発言は唐突に感じ
自分たちの命の危険がもう無いとわかると、
ニアの言うことはきかないと発言をしているようにも見えるので
マイナス印象なのですが…

まあ、あまり深く考えず
犯罪者キラではなく夜神月を捨て置けないという
意味にとっておきましょうか。
(しかし、手追いの月さえ捕まえられないって…一体…
血の後を追えばすぐわかるはずなのだが…。
最後の最後まで日本捜査本部らしかったですね…)

さっきまで自分たちを殺そうとしていた人物を心配するのは
以前のニアにとっては不合理に感じるでしょうが
「正論だとしてもそれが全てではないし、
悪だからといって切り捨ててしまえるものではない。」
という事はキラ事件に関わりニア自身が体験した
はずなのです。
だから相沢たちに譲ったのでしょう。

ニアが作品中、逆成長していったのは「裸の王様」のイメージだと
思うのですけど、どうでしょう?
王様が裸だと言えるのは社会にしがらみがなく既成概念に
とらわれない子供だからこそなのですが、
捜査本部の大人はたとえ愚かな王様でも今までの
触れ合いの歴史があるのですから上着を差し出したいのでしょうね。

しかし、月は最後の力を振り絞り逃走します、
夕暮れの風景の中…人生の黄昏の中、
彼は逃げて行きます。
放課後の校庭には新世界交響楽が流れていたのを思い出しました…。
鉄塔の上から月を見つめるリューク…
武士の情けのような優しい口調で月のとどめを刺してあげます。
廃墟で一人、階段に体を横たえる月
照の亡骸、
葬列の服のミサ、
最大のライバルだったLの幻影…が鉄柱の十字架の向こうに見え
月はオレンジ色の光の中、美しく静かに目と生涯を閉じるのでした…

「DEATH NOTE」・完。

綺麗に終わりました…。
私が原作終了前に考えてたラストの1つに近いイメージです。
でも、もし原作もこのような終わり方だったら私がこのブログを
開くこともアニメを毎週観て長い長い感想を書くこともなかった事は
断言できます。
13巻で小畑先生がなると担当氏から月が惨めに負ける展開に
聞き、その展開を望んでいたのでうれしかったが、
まさか本当にそうなるとは…的な発言をしていましたが、
まさに私と同意見でした。
月は死ぬだろうが主人公だから口当たりが良く、情緒性に訴える
死に方になるだろうと……

ところが!!あれ!ですよ。
あの原作の凄まじいまでの醜悪な描写に息を飲みました!
作者の言いたい事がストレートに伝わってきて、これぞ少年漫画だ!と
いたく感動したものです。
私は月というキャラクターを一人の人物というよりデスノートという
作品の象徴そのものだととらえているので、
月が可哀想というより、こんなにテーマを表現してくれてありがとう!
という役者さんに対する感覚を持っているようです。

ですが月というキャラに感情移入して読んでいた人達は死ぬのは仕方ない
だろうがせめて目を閉じさせてあげたいと考えるでしょうし、
アニメの監督もそうなのでしょうね。

でも、デスノートのテーマは月の断末魔、「死にたくない」と
「完」の反キラ派一般人代表、伊出さんのセリフ
「(ニアが勝ってなければ)俺たちは今こうしてここにいない」
要するに人間は生きる事が大事なのだと、
その生命を勝手に奪う権利は誰にもないのだという事がテーマだと
思うので(13巻で大場先生の発言ともリンクします。)
それを省いちゃったアニメはもったいなかったなと思います。

さて、思った通りカットされた松田説ですが
蛇足感の多いキラ派一般人代表の松田説をカットしたのも
監督がニアはノートを使っていないとの解釈からでしょうか。
しかし無ければ無いで、ニアの印象って薄くなるなあとアニメで感じました。
その後の世界の描写もないですし…

アニメではキラ社会の腐敗を強調してましたから、
キラ社会が狂ってるのは当たり前で崩壊したほうがいい、
でも月というキャラクターは好きという一番多数派であろう
ユーザーに向けているのかもしれません。
感心したのはリュークのセリフですが原作と同じ変わらないのに
解釈と演出によってここまで心理描写を変えられるのかと言うことです。
ずっと一緒だった月を見るに見かねての行動に見えます…。
私が「幕」を読むまで描いていたリューク像です。
原作の冷酷な「魔」であるリュークには戦慄を覚えたものですが、
アニメでは叙情性にあふれロマンチックですね。

こういう色々な人に解釈のデスノートを高クオリティの作画で
楽しめるのも後、十数年後にリメイクでもされない限り無いでしょうし
2ヵ月思う存分楽しませていただきました!
キャラクター達の色んな一面が見られましたし、動いてしゃべって
身近に感じられました。
ニアの扱いがいいのも個人的にうれしいですし
女性キャラが可愛いのも良かった、
脇役でもファンがいるのをわかっていて、すみずみまで
丁寧に気を使っているのも感じられました。
最初苦手だった月の声優さんのすばらしさにも気付けました。
録画をしない私のHDがアニメ2部でいっぱいですよ!
もう深夜アニメをリアルタイムで毎週観るなんてないだろうなあ
と思います。
それくらい「DEATH NOTE」は特別な作品です。
アニメスタッフさんからも特別な意気込みを常に感じて
おりました。
スタッフ様もキャラクターもありがとう!お疲れさま!

このアニメレビューも今回で最終回です。
読んでいただけた方ありがとうございました!




萌え的・37話 「新世界」

いやはや、ニア美しすぎるってー!なにあの人、もういやねえ!
素晴らしいですよ、ノートとりだした後のシャツのはだけ具合。
そーですよね、ボタン止めてる暇ないもんねー。
指人形も美しすぎます、ああ可愛い!
ニアかわいい!
メロは完全にキラを倒すために、ニアのために、特攻したという
改ざんになってましたねー、
そう解釈している人のほうが多いでしょうし、いいんじゃないでしょうか?
顔見えないけどメロ美しかったです。
ジェバンニもハルも美形!!!
ジェバが堂々としてるー!冷や汗を流さないジェバは物足りないと
思いつつ、格好いいですねー。

なんの意図があって「夜神月あなたがキラです。」の決めポーズを
削除するのか?とか、月を放って置けなんてニアが言うはずもないとか
(一生閉じこめるという粘着さんが言うわけないですよ!)
まあ、その辺は2度目の松田射撃シーンがあまりに素晴らしかったので
勘弁しておきます。
しかし、あれでは完全に松田が過剰防衛の殺人犯…。
リュークが殺したとこみんな見てないしね。

魅上も最後まで魅せてくれました。
神に裏切られたのが辛かったのかしらね。

でも、月の最期を美しく描くと普通の作品になってしまうので
いいのかなあ?と思うのですが、
映画もそうだったし、月を応援していたファンが原作で受けた傷を癒す
ためにメディアミックスはあるのかもしれませんね。
思った通り、松田説はカットですねー
チョコ食べニアが惜しいなあー。

ニアらしくないオリジナルセリフでニアの出番終わりなのが
ニア好きには食い足りないですけどねえ
月の最期も幻影もLだし…
まあ月とLの話で締めたんでしょうが。

なんか、文句描いてますがさんざん楽しませてもらったしニアが美しいので
お礼いいますよ。
アニメスタッフ様お疲れさまでした。
そして、おお!スペシャルが!
どうせ追加シーンはLなんでしょうとか言いっこなしで
楽しみにしております!わーい。