メロがハウスを出ていく日が来た。
私たちは一時はあんなに近くに深くにいたのに
していない事があったのを思い出した。
荷物をまとめているメロに私は久々に近づいた。

「キスしてください。」

メロは私を黙って見つめた
そして故意に無機質な態度で私に唇をよせる、
押し分けて入ってきた舌は甘く、
メロの匂いだと思っていたものはチョコレートの味だったのかと
今更気がついた。
私は彼の事を何も知らなかったのだと改めて感じる、
でも甘いチョコレートは私の体を流れ胸まで到達し
空いた穴を薄い壁でふさいでくれた。

短い最初で最後のキスを後にメロは何も言わずドアを閉めた。


  カンタ様より







ブログ開設当時からお世話になっているカンタさんが私のSSのイメージイラストを
書いてくださり、うれしくてコラボ作品っぽく文章も載せ、カンタさんのサイトにUP
していただきました。
当時のサイトは閉鎖になりましたが、ご本人とは今も交流させていただいてます。
カンタさんは、はかなげでビビットなイラストからは想像出来ない面白いMっ子だったり、
はたまたイラスト通りに繊細な美しさを持った奥の深い方です。

いつも、いじめられに来るのに手ぬるくってゴメンナサイ、だって
ホラ、総子Sじゃないしー。