アニメ最終回後のつれづれ
雑多な感想・フリートーク集です
アニメ最終回を観て一夜たった後… デスノートの映画を見たときを思い出しました。 デスノ映画の後編は友人と観に行ったのですが、 2人ともラストのどんでん返しにいたく感心し、 松Lの可愛さに感激し藤原月の愁嘆場の見事さに 見入りました。 月に同情の余地のある終わり方も尺を考えればまとまって 良かったですし、なにより夜神総一郎が好きな私は お父さんが存命であった事を喜んだものです。 しかし、同時に喜ぶという感情自体、原作で死んでいるという 事実が重くのしかかっているのですよね。 映画の格好良くお話をしめてくれたお父さんは、 格好いいお父さんは夜神ではないなあと あらためて突きつけられたわけです。 原作の夜神なら月がキラだったら責任を感じて自殺… まではしなくても警察に辞表を出さないわけ ないですよ…。 アニメにも似た感覚を受けました。 私はオリジナルシーンで逃げる月が原作の不様な死から 逃げているように見えました。 そしてそれは成功し美しく目を閉じれたのですが、 このラストがいいと思った人も微妙と思った人も原作を読んでいた人は 全員、原作のあの悲惨な死が脳裏にありありと浮かび上がったのでは ないでしょうか? だったら、どうせ原作からは逃げられないのだから原作どうりに しておけば良いのなあと考えておりました。 しかし、数日たち私にとって公式は原作漫画以外ありえないのだなあと 今更に実感し、他の方々の感想も見ていくうちにこれはこれで良いのだろうと 思えるようになりました。 映画もアニメも私にはパラレルですし、パラレルなら原作と違う味わいを 見せねばクリエイトした意味がないですからね。 両者とも原作に対する敬意は強く感じました、 考えてみれば原作倉庫編の あの「DEATH NOTE」をゼロから作り上げてきた 作者2人の筆がおりなす衝撃性と独特の粘着性、月に対する思い入れは 他メディアのリメイクで超える事は不可能だと思います。 だったら、別のやり方で自分なりの思いを表現したのがアニメなのでしょう アニメで月の「死にたくない」というセリフ自体は削られましたが 同情に訴えるようにセリフは追加されたわけではないですし、 高田清美の殺害などに関しては原作以上な醜悪さを表現している のですから、 アニメの監督やアニメの月の死に様に涙した人達は 月が悪いのはわかっているが、デスノートに関わる前は 純粋な人間だったのだし、 原作でもう報いは受けたのだからここでは目を閉じさせてやってくれ という思いなのだろうと解釈しています。 帝東ホテルではしゃいでいたはずの海砂が同時刻に 自殺を思わせる行動を見せるのもあきらかに不自然です。 (未来映像なのかもしれませんが) が、デスノートのヒロインであった(はずの)海砂を月の最期に 絡ませたかった、Lの幻影も戦いが終わった象徴として 出したかったのだろうと思います。 これはこれでいいのではと感じております。 ワイミーズ好きの方々はワイミーズの扱いの軽さに納得行かないとの 意見が多いですが、…… 私もアニメのニアはデスノートの力を失った月に対して Lを倒した最強の敵といった感覚などはなく、 元キラ・弥ミサ程度の扱いしかしないのは残念でした。 主人公の月に思い入れのないニアは月のお話の 部外者であり、存在感が薄くなってしまったからです。 ただ正直、こんなものだろうとあまり期待して いなかったので致し方ないかなあ…とも思います。 ニアがNではなくLを目指している時点でLを継ぐ者の話ですので ニア個人のお話を掘り下げることはないのでしょう…。 私がニアが好きな理由の一つにワンマンで傲慢に見えて ニアは私利私欲のない達観した人間である事があるのです。 自分探し、生まれいづる悩み、アイデンティティの確立といった 近代以降の物語のテーマはニアには関係ないのでしょう、 そういったキャラクターは新鮮でしたし解放されている ニアがうらやましく思います。 ニアが達観しているのは 生まれつき全てを持っているからでもあり それを自覚しているからでもあります、 メロからみればそれが余裕に見えて見下されているようで ニアが憎たらしかったのかもしれませんし、 不遜だとは思います。 それを含めてニアが好きなのです。 実際のところ才能ある人間には人もお金も集まり不遜ささえ 個性として喜ばれるものですからニアは今後もたいした苦労は することは無いだろうと思います…。 でも…失ったものが大きすぎます。 人生の序章のような10代で尊敬できる人間、友人、最大の敵に 出会い喪失したニアは大丈夫?さみしくない?と凡人の私は いとおしくなるのです。 月やLに関しては原作で完全に満足しているので補完の必要がなく あまり書く機会はないのですが、ニアに関してはまだこの想いや 自己補完の作業は必要のようです。 スペシャルや映画のスピンオフは「DEATH NOTE」の世界観が リアルタイムで動いているという時点で張りになりますし 感謝して楽しみにしております。 では、長いこぼれ話でしたが読んでくれた方、ありがとうございました。 |