「花と追憶と君と」



1月28日 キラを倒した。
SPKは、秘密裏にその残務処理をすべく激務に追われていた。
私は日本警察に収容されている身元不明の高田誘拐犯2人の遺体の
情報をチェックした。偽名で入国しているが間違いなくメロ。
もう1人は写真に見覚えがあるのでワイミーズハウスにいた青年だろう。
私はリドナーに2人を埋葬するように命じた。
火葬で遺骨を持ち帰り本国で埋葬することも考えたが、メロはクリスチャン
なので土葬のほうを好むと考えたからだ。
日本捜査本部がLとワタリを密葬した墓地に一緒に眠る事になった。

「葬儀は全て終わりました、ニア。
日本では犯罪者を同じ墓地に葬るのに抵抗感がないようなので、
日本警察との折衝もすんなり行き助かりました…。」
「ごくろうさまです、リドナー。人間は死んだら皆、平等という事ですね…
よい思想だと思います。」
「ですが、良かったのですか?Lの棺も含め、故郷に墓地を移さなくても…」
「我々はお互いの故郷を知りませんし、
墓を移して身近に置きたいのはこちらの都合や
感傷というものです。それで死者の眠りを妨げたくはないですね。」
自分で言いながら、この考え方も充分センチメンタルだなと思った、
リドナーも意外そうな顔をしている、私らしくないと思っているのだろう。
まともな死に方をしたいと思ったら「L」などやらないほうがいい、
私自身は自分の死後のことなど考えないし、
どうでもいいと思っている、だが、Lやメロたちはなるべく
手厚く葬りたいと思う、この感情はなんなのだろう?
「……日本を立つ前にお墓参りに行きましょう、ニア、メロの好きなお花を持って…」
リドナーが靴音を立て部屋から出て行く。

私はメロの好きな花など知らなかった。

その夜、久しぶりにベッドに入れた、だが眠りにはつけない…
私が自分がメロのことを何も知らないのに今更ながら気づいた、
メロと会話をしていたのは10年以上も昔のことだ、
後継者争いでメロの態度が
険悪になり、彼がワイミーズハウスを出て…その後の事は情報ならわかる。
でも私が欲しいのはそんなものではなくメロから発せられる言葉だ、
まじかで見るメロの挙動だ、感情をあからさまに映すメロのまなざしだ。

だが、彼はもういない…もう再び会うことはできない、
声を聞くことも触れる事もできない。
痛切に思い知らされる、私はこんなにもメロを求めてたのか……と
失ってからでは遅いのに…

最後に彼と会ったのは背中ごしだった…
私は犯罪を犯した彼と目を会わすわけには
いかなかった。
私は寝返りを打ちながらつぶやいた。
「馬鹿…馬鹿です…あなたは…メロ…」

「葬式の日まで悪口かよ!」

聞き覚えのある声が背後からする。驚いてふりかえると
青白い光に包まれた人の形が見える
黒いレザーの上下とにファーのついたコートのそれは…
「よお…」
「……メ…メロ…?」
「墓を作ってくれた礼と別れの挨拶に来てやったぜ、ニア…。」
私はベッドから駆け下りメロの元に急いだ、フードをつかむと確かな感触がする。
「これは、私の見ている夢ですね…?」
「いや、違う…俗に言う幽霊ってやつかな?」
「死神は死んだら無だと言ってましたよ?」
「死神と俺のどっちを信じる?」
「それは…メロを信じます…が」
でも、メロが私の元へ偲んで来るとは思えなかった、
やはりこれは私の都合のいい夢なのだろう。
私は背伸びをし、フードを脱がし、メロのザンバラになった金髪をつかんだ。
そして、その顔を引き寄せる。唇と唇が重なった、
メロは驚いたように体を震わせたが、私はかまわず腕を首に回し抱きしめ
さらに深くくちづけた。
彼の口の中は熱く不思議な位、実在感がする。

私は目を閉じながらメロとのきしむような軋轢の日々を思い返した、
夢の中ならこんなにも心のままの行動が出来るのに…どうして私は……。
悲しくなって、私はからめているメロの舌を軽くかんだ。
「イテッ…」
メロが苦しそうに体を離していった。
「な、何するんだよ、てめえ!」
「幽霊なのに痛いんですか?不便ですね、
それに体も実在感がありますね、ゴーストという
のは空気のようなものかと思ってました。」
「幽霊というか?残留思念ってやつかな?
俺の思い込みが生前の体をリアルに再現して
お前の脳に直接働きかけて固体として認識させてるんだと思う。」
「そうなんですか…」
設定など、どうでもよかった、私はメロの手を引いた、
早く、早く、この夢が覚めないうちに。
ベッドに引きずり込むように座らせる。
「なんのつもりだニア!さっきだって…」
「お礼をしてくれると言ったじゃないですか、私は言葉だけなんていりません。」
私はパジャマのボタンをはずした。
「…キスの続きがしたいです…。」

「なんだよ…お前はいつも俺なんて、相手にしてないような顔してたじゃな…」
「私はあなたと一緒にいたかった…あなたが知らなかっただけです…!」
そう、私はメロと一緒にLを継ぎたかったのにメロが拒否しただけだった…
私はメロに抱きつこうとした、が、上背の勝るメロに軽く阻止された。
「俺は男に襲われる趣味はない!」
全てが私の思うようには行かないようだ、食べれなかったお菓子、
見つからなかった探し物、夢の中はいつもそんなものだ。
こうしてメロに拒絶されたまま、薄ぼんやりと目が覚めるのだろうと考えていると
メロがコートを脱ぎ上のレザーも脱ぎ捨てた、傷ついた上半身が見える
「襲うのは俺のほうだ…ニア」
メロが私におおいかぶさり、私の体はシーツに押し倒された。
私に似た黒い瞳が私を見ている…その目は閉じられ
長い髪が私の頬に触れたかと思うと唇が重なってきた。
柔らかい唇、メロからのくちづけ…私も目を閉じてキスを返す、
キスをしながらメロは私のパジャマの上着を器用に脱がせ、
腰をなでたかと思うと
下着ごとズボンをおろし足を使って私の体から引き剥がした、
メロの唇が私の顔から離れ、首すじをたどりながら下に下がっていく。
少しのくすぐったさと熱い感触に私は身震いしそうになる。
「んん…」
自分の声とは思えない甘いため息が漏れてしまう。
メロの舌は私の胸で止まった、赤い突起を丁寧に舐め始める強く、優しく…
「ああ…ん!!」
いっそう大きな声をあげてしまった。
そこが私の意志とは関係なく固く張るのがわかる
私は自分の乳首など今まで意識したこともなかったのに…
今は切ない快感で全身の意識がそこに集中してしまう。
「ん…ハア…メロ…あなた…慣れてますね…」
メロは顔をあげニヤリとした表情をした。
「まあ、そこそこはな…悔しかったら、お前も少しは外へ出て、経験を積むんだな。」
憎たらしいことを言いながらメロの顔は胸の下からわき腹を抜け下腹部に到達する。
私の性器は今までの愛撫ですでに勃ちあがっていた、
メロに見られるのが恥ずかしくて私は顔をそむけた。
メロはそんな私にお構いなしに足の間に割って入り、中腰で私を見つめている。
「きれいだな…ニア…」
メロはそういうと身をかがめ、
私自身をつかみキスするように先端に触れ舌で愛撫した。
「あああん…やあ!んーーーー!!」
私は始めての感触に身をよじったが、メロはくわえ込んで離してくれない、
メロの熱い体内で自分の欲望があっという間にたぎり、
すぐにも破裂しそうなのがわかる。
私は荒い息を吐きながら、快感と戦い離してくれと懇願するしかなかった。
「ん、あ、だめ、メロで…出ちゃ…だめ…離して…あああ…」
メロの口に放つのはなんとも恥ずかしすぎて避けたかったが、
メロは私が頼むとさらに舌と歯と唇で激しく私を追いたてた、
顔は見えないが私が翻弄されているのを
面白がっているのがわかる。私は悔しくなったがもう我慢できなかった。
「いや、あああん、あん、ハア、アアアアン、メロ!!」
メロの名を叫ぶのと一緒に彼の口の中に熱いほとばしりを解放した。

ゴクっと私を飲み込む音がする、飲みきれなかった体液を手で拭い、メロはボトムも
脱いだ。床にガシャとベルトの転がる音がする。
「よかったか?ニア」
メロはそういうと私の足を持ち上げ下半身の奥に濡れた指をすべりこませた。
メロの指が私の体内に入ってくる。
「こうして慣らしておかないと悲鳴あげるぞ。」
指の違和感は強烈だったが、私は痛みに耐えるのは割りと平気だった。
それよりほぐすにつれ、湧き上がる妙な浮遊感のほうがどうしようもなく
また性器が勃ちあがるのをメロに見られるほうが恥ずかしく感じ
「もう、いいです…メロ…来て…」
私は乱れた髪のすきまからメロを見て誘う…メロはせっかく丁寧に優しく
してやってるのに何だよ!?と不服そうだ。
メロはムっとした顔で私の足を肩にのせ自分の性器をつかんだ、彼のものも
すっかり欲望で変質している…。
私との行為でメロが欲情してるのがうれしい、
メロは自分を私の入り口にあてがい、そのままグイっと体を押し付けた。
「!!!!−−−−!!つぁ!!があツツツう」
指とはくらべものにならない圧迫感に思わず大声をあげてしまう。
痛みでひきつりそうだ。
でも、私はメロと一つになっている事のほうがうれしかった。
メロが体を進めてメロの存在感が増すたびに喜びで頭がぼうっとする。
私の身体の中、肉壁をこじあけてメロが近づいてくる…
メロは根元まで深く突き刺すと荒い息を吐きながら
「痛いか?ニア」と聞いた。
メロの髪はいっそう乱れ、傷跡から鋭い視線を投げかけてくる、
華奢だった体は大人の男へと変貌をとげつつある…
目には私の身体を支配してる事の満足感が漂っていた。
私は少し意地悪な気分になり
「もっと…激しくしてください…」とうっすら笑みをうかべ言葉を返す。
「やっぱり可愛くねえな!お前は!」
メロはそういって激しく腰を打ち出した、メロと私の身体がぶつかる音が響く
メロのすねたような怒ったような顔は好きだ。
ベッドがギシギシときしみ壊れるんじゃないかと心配になるほど激しく私達は抱き合った
痛みで身体は張り裂けそうだが、このほうがいい、このほうがメロの存在を感じられる
私の身体に焼き付けられる。肩から足がはずされ、メロの身体がおおいかぶさり
私を攻め立て吐息が混ざる、私は足をメロの腰に回しさらに身体を密着させる
メロを離したくない、逃がしたくないとばかりに…
「ああ…ああ…メロ…」
私の性器は2人の身体の間でこすり合わされ、快感をよみがえらせた、
身体の中でも痛み以外の感覚が生まれだす。このまま溶けてしまいそうだ…

一瞬意識が白く遠のきかける…          そして、また戻る。

私は快感の海に溺れながらも急に悲しくなってきた。
こんなに身体を密着し、こんなに快感を共有してるのに、私達はやはり一つではない
溶け合えないのがさみしかった。汗が頬を伝う…
「何で、泣いてるんだ…」メロが動きを止め聞いてくる。
泣いてる?私が?私は人前で泣いたことはもちろん、
一人でも涙を流した記憶もほとんどない
メロは何を言ってるのだろう?
と自分の頬にふれると瞳から次々と涙がこぼれだしている…
自分で自分が不思議で呆然とした。
メロは心配そうな顔を近づけ聞いたこともないような優しい声でつぶやく
「泣くなよ…ニア」

「好きだ…」

私はあまりの言葉に驚いて涙が止まった。メロが私を?
そんなことは考えた事もない!
「俺は…いつもお前の事で腹をたてて、お前の事で頭がいっぱいで…
死んでからまで気がついたらお前の所に来てた…
俺はきっとお前の事が…」
私はメロに抱きつき背中を思い切り殴った。
「遅い…遅いです、あなたは…馬鹿です!馬鹿です…メロ…バカ…」
一度止まった涙は堰を切ったように流れ出し、止める術はなかった
私は泣きじゃくった人の胸に中で、生まれて初めて。



繋いでいた体を離した後もメロは私を胸に引き寄せ、
私が泣き止むまで抱きしめてくれた。
人肌がこんなに心地いいなんて初めて知った。
私が落ち着くよう、ずっと髪をなで時折ほおずりをする…
この夢の中のメロは私の願望の具現化だとすると
私はなんて甘ったるい人間なのだろうと
気恥ずかしくなったが、ずっとこうしていたかった。
「ごめんな…」
メロがつぶやく。
「…あなたはやっぱりメロじゃないですよ、私の知ってるメロはそんなに
優しくも素直でもありません。」
いや、Lの後継者争いが激化する前のメロはこんな風だったかもしれない…
「うるせえな!俺だって、優しい時もあるんだよ、決め付けんな!」
「ごめんなさい…」
私も素直になってみた。 メロは少し照れたような顔をする。
「ニア…俺は、本当は礼とかじゃなく、お前に言いたい事があって来たんだ。」
「なんでしょう?」
メロは私をじっと見つめ真面目な顔で言う。
「…背をのばせ…猫背でこもってばかりいるから伸びないんだ、
適度な運動とカルシウム…牛乳を飲むよりコントレックスを飲んだ
ほうが効率よく取れるな、飲め、毎日。まだあきらめるな!」
唐突な発言に私は目を丸くするしかなかった。
呆然としたまま、私達はベッドに座り込み、向き合って話しだす。
「なんでしょう、突然?大きなお世話だと思いますが。」
「背が高いほうが女にモテルだろ?」
「???!」
今度はあいた口がふさがらない、涙も吹き飛ぶというものだ。
「選択肢は多いほうがいい、なるべく沢山の女の中から
一番いい女を選んで結婚しろ。」
「…………」ゲンナリした私の顔に気づかないのか、
無視してるのかメロは続ける。
「で、子供も作れ、どうせお前は家にいるだろ?
いいマイホームパパになれるぞ、
男の子供にはロボットを作って、女の子には人形でも作ってやれ。
もうLの敵は討ってやったんだ、これ以上義理だてする必要ないだろ?
『L』はメシのタネのそこそこにやってプライベートは別に持てよ。」

「貴重なお話ありがとうございます…考えておきます……
…………つまり…それが、メロの将来のビジョンだったんですね、
それを私に受け継いで欲しいということでしょうか…?」
「まさか!俺はそんな小市民の夢みたいな事、くそくらえと思ってたぜ
、毎日スリリングにしがらみなんて捨てて、生きるのが理想だった。」
「じゃあ、なぜ私に…私にも向かないと思います…いやがらせなんでしょうか?」
私は半目で思いっきり、冷たく言ってやる。
「ちげーよ、う〜ん…なんと言ったらいいのかな…俺は嫌だけど…お前や
他人にはいいかなと…」

「メロ…」  私はやっとわかった、メロの語る他愛ない平凡な夢
だが、多くの人間にとっての…幸福の縮図…

メロは私に幸せになって欲しいと思っているのだ…

私はメロの単純さにクスリと笑ってしまった、そして、
うれしくて胸の中があたたかくなった
今、2人の体は離れているのに、私はぬくもりを感じ、
もう悲さも寂しさもない。
私は立てひざになり、メロの肩を抱き、そのまま体を重ねて押し倒した。
私の体全体を使ってメロを撫であげる…
「メロ…もう…1回、したいです…。」
「……初めて…気があったな。」
メロはニッと笑うと私の体ごと反転した。
「襲うほうがいいと言っただろう」  メロがくちづけをしてきた。
私はメロのほうから求められるほうが、
よりうれしく感じメロの頭を抱いて深く深くキスを返した。
そのまま2人でお互いの体中にキスをする、もう競争のようだ。
背中も耳たぶの裏も足の小指の爪も全てにキスの印をつける…
熱くなった肌の触れ合いでお互いが高まって、こらえきれなくなった頃
私の足の間を割って、またメロが私に中に入ってきた…
「は…あああん……ん」
固さと大きさに痛みが走るが、リズムを刻むようなメロの律動に、
徐所に快感がわく、
2人の体に挟まれ揺らされる私の性器は限界まで熱くなり、
今にも悦びを溢れだしそうだ。
「ん、メロ……いい…おかしくなりそうです…ハアア・・・ん・・・。」
「ニア、俺も…ニア…」
メロ自身が私の奥に達すると身長差のある私たちの目線が同じになる。
私はあえぎ声を上げながらメロの顔の傷に触れ、そっとなでた…
「怖いか?…」
「いいえ…格好良いですよ…。」
傷のついた頬にキスをする、メロは少しうれしそうで、少し困ったように見える
「お前もお世辞が言えるようになったんだな。」
「違います…わ、私はメロなら…なんで…も…あ…ああーーー」
メロが腰の動きを早めたので、会話が続かない、私の中で荒々しくメロが脈打つ。
「あああ、ああん!もう!だ、だめ!!!−−−−−!ああツ!」
大声と荒い息を絡めながら、
私は絶頂に達し、白い欲望を吐き出した。


そのまま、しばらく2人で丸くなってまどろむ、
メロがわたしの事を激しいとか、ヤラしいとかいじめてくるので、
私もやり返してやり、2人でくすくすと笑った。
情事の後なのに無垢な気持ちになるのが不思議だった。
ずっと昔、私達が無邪気だったころを思い出す、床に転がったまま眠った私に
メロが毛布をかけ、そのまま2人でお昼寝をしたのを思い出した。
メロの金髪が私の鼻先にふれくすぐったかったな…
そうだ、メロは本当は優しかった…昔から…

メロの髪に触れたくなり手を伸ばしなでた、しかし髪の先は指に絡める事は
できなくて、フッと宙に消える。
私は手を止め固くなってしまった。

「そろそろかな…」   メロがつぶやいた…

夢の終わりの時間が来たのだ。
メロが身をおこしベッドから降りた。
服は手に取らなくても、いつの間にか身にまとっていたが、体の縁は既に
半透明に透けて見える。
私はパジャマの上だけをはおり、何を言っていいのかわからなかったので
彼からの言葉を待った、   メロはポケットに手を突っ込み顔を伏せつぶやく…
「さよならだニア。」   「…さよならメロ…。」
メロが顔をあげた。
「俺がお前に言いたかったのは、つまり…」

「もう…人のために生きるな、自分のためにだけ生きろ。」

胸がつまり私は何も言葉に出来なかった…
メロは後ろを向いた、私はベッドから飛び降りメロにかけよる、
メロの好きな花を聞かなくては…
メロは振り返り、うすぼんやりしだした手で私を引き寄せ耳元でささやいた。
「俺の本名を教えてやるよ。」
メロの名前が私の海馬に刻まれた…
「良い…名前ですね。」 私は目を閉じてゆっくり少し微笑んで答えた。
「子供が生まれたら、その名前をつけます。」
「…L…じゃなくていいのかよ?」
「じゃあ、次男が生まれたらLで…   私の一番はあなたですから。」
私がメロを見つめメロが私を見つめる、私達の心は今、一つだった…
私達が出会ったこと、離れたこと、過去も未来も全てに意味があったのだ
2人をとりまく世界全てが共鳴し鳴り響いている。

私もメロの耳元に顔を寄せ、私の本当の名前を告げる。
「まあまあだな…でも、俺のほうがカッコイイかな…?」
「名前は俺の勝ちだな!」
メロがクシャっとした顔で笑った、メロの姿が曲線にゆがむ…
私はまた泣いているのだろう。


目を覚ましたのは予定よりずっと遅かった。
私は鮮明すぎる夢の残像にボンヤリとしながら、体を起こそうとする、
「ッツ…」  体中がきしむようで起き上がれない、体の中はさらに
激しく痛む、思わずうずくまってしまう。
何事かと自分の体をみると、下半身は裸だった。

そして身体中に赤い花びらのようなキスの跡が散っている。

頬は涙のあとで少しひりついていた。
「メロ……まさか本当に……。」
頭の中ではメロの本当に名前が響いている…。

私は痛みなど忘れ、床に膝をついた。
メロが私に会いに来てくれた事よりも、抱き合えた事よりも
彼が絶望や苦しみの中で逝ったのではないことがうれしかった、
私は手を組み、彼が安らかに眠れるよう生まれて初めて神に祈った。


全てが終わり、この国を離れる時がきた、私はリドナーと車に乗り込み
先立った者たちへ別れの挨拶に向かう…
皆には白い百合の花を用意した。
花の香りで車内は甘い匂いでむせかえるようだ。
「その赤い薔薇はメロのですか?」
「そうです。」
「彼に似合いますね…」 リドナーはつぶやき前を向いて車を走らせた…
私は抱えた花束をじっとみつめた、血のように赤く美しい
おまえと私の2人だけの秘密の花を…。



END




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ニアは何を考えているのか、よくわからない所が魅力の
キャラなのでニア視点の話は難しいですね。
原作のニアがさみしそうとは実はほとんど思ってないです。
最終回見て、元気そうだし、楽しそうでよかったね。と
思ったものです。そんな別格の精神力を持つニアが
メロだけ特別でチョコ食べるのが…萌えなのですよ!
ええ!萌えですよ。