「ジェイコブス・ラダー」



今夜、このワイミーズハウスを出よう。そして自分のやり方で僕は…、
いや、オレは生きる!そしてニアもキラも抜き一番になってやる。
窓から暗い夜空を見つめメロはそう決意し、手じかな荷物を小さな
かばんに入れた。分厚い聖書を詰め込むのに苦心していたメロは
ふっと、自分の行動の意味のなさに気づき、ひとり苦笑した。
「こんなものどこでも買えるのに」神を特に信じているわけではないが
宗教関連の物は好きだった、持っていると気分が落ち着く、
特にLが死んだと聞かされた
今夜は…。だが、メロは読み込んだ聖書は鞄からひきずりだし机の上に置いた。
「これがあればいいな…」
胸につけていたロザリオをなでた。その時部屋のドアが音もなく
あいた。メロは反射的に鞄をベットの下に隠し、ベッドにくつろいでるかのように
座り込んだ。「誰だよ?」半開きになったドアの向こうは暗闇の廊下だったが、
それまで雲に覆われていた月が顔を出し廊下の窓から
月光をたたえその人物を 照らし出した。
逆光で月明かりに浮かぶ人影はその体から白銀の輝きを放っている
ように見えメロは目を見張り、そしてその人物の名を呼んだ 
  「ニア」。

銀の髪に白いパジャマをいつものように着たニアがそこに立っていた。
足音はまったく聞こえなかったし第一ドアには鍵をかけていたはずだが…
…こいつはまったくタチが悪い!メロがそんなことを考えてる間にニアは
勝手に部屋に入ってきてベッドの自分隣に腰をかけた。メロは驚いた、
こいつがオレの部屋に来るなんて初めてのことだった、ニアが目的もなく行動
するはずがない、脱走に感づいたのか?だったら舎監に密告するだろう
なにが目当てなんだ?メロは考えがまとまらず黙っていた。
2人の間沈黙が錯綜し、それを破ったのはニアだった。


ぶらぶらさせていた足を止めメロに横を向いたまま俯きかげんにつぶやいた。
「夜中に、ここに来た意味はあなたならわかるでしょう?」
いつものように高慢な口調に聞こえ、いつものようにメロは腹がたった。
「お前の考えてることなんて知るか!考えたくも無い!わかるもんか!」
「では、言います。メロ……」 やはり横を向いたままニアは言った。
「抱いてください。」
メロは眼球が飛び出すほど驚き、動揺した
そして動揺した事に腹がたった。すぐさま怒りが頂点に達した。
「ふざけんな!!お前、男だろう!からかってんのか殺すぞ!」
「…嫌ならいいです。」ニアはのろのろと立ち上がりドアに足を向けた
「待てよ!!」メロはニアの腕をつかみ乱暴に引き寄せ、そのままベッドに
叩き込んだ、「お前の事だ、どうせまたなにか企んでるんだろう?」
メロはニアのパジャマちぎるようにひっぱったボタンが飛び散り白い肌が
露になる。メロはその色に凶暴な気持ちになった。今日でこの施設を
出て行く、いい機会だこいつの企みを暴いてやろう、決してニアからの
誘いが惜しくなったわけではない…メロは自分の行動をそう分析し
自分にそう言い聞かせた。

乱暴なメロの行動にニアは伏目になっていたがあきらかに口元は不服そうだった。
「なんだよ、望みどうりにしてやるのに文句でもあるのかよ!」
メロはニアの上半身を押さえつけ下着ごとパジャマのズボンをはぎとった


白い足がベッドになげだされる、ほとんど歩かないくせに適度に筋肉は付き
しなやかだった。はだけたパジャマの上着に素肌の下半身に白い靴下で
シーツに肘をついて投げ出されているニアを見て、おかしそうにメロは
ベッドヘッドに手をのせ体をもたれかけ意地悪く笑った。
「女の子なら可愛いんだろうが男のお前がそんな格好をすると白痴みたい
だな、天才少年がいいざまだ。」
「……私が白痴じゃないのはあなたが一番良く知っているでしょう?」
「NO・2へのオレへの皮肉かよ?調子出てきたじゃないか!」
もっと、もっとこいつを侮辱してやる、本性を暴いてやる!
メロは身を起こしニアを引き寄せた、首ねっこをつかみ四つん這いの体勢にし、
ニアの顔を自分の下半身に近づけ、ボトムのジッパーを下げメロ自身を取り出した。
「しゃぶれよ」
ニアは困惑して固まったようだった。メロは攻撃の手を緩めない。
「やって欲しいんなら勃たせてみろよ、ああ?」
こんな屈辱的な申し出をプライドの高いニアが聞くわけもなく、反発するだろう
感情的になった所をついてコイツの本心を引きずり出してやる!メロはそう
考えていた。が、ニアの反応は違った。メロのものを前にし一瞬の躊躇をみせた
ものの白い指でメロを包むとその先端からいとおしむように口をつけた。
驚いたのはメロだった。ニアの口の中は柔らかく熱かった、舌が絡まりねぶる、
メロはこんな行為は年相応に興味で仕入れた情報だけで初めてだった。
人の中がこんなになまめかしいものだなんて知らなかった。



クチュクチュと淫猥な体液の音が2人の間に響く、メロは興奮を抑えることは
とてもできず、たちまちのうちに高まって大きく怒張してしまった。ニアは
それに自信をつけたようで、口からこぼれそうになったメロをさらに舐め上げた。
「ウウッ」メロは声をあげずにいられなかった。ニアの器用な舌と指はすっかり
コツをのみこみメロを責め上げる、「ニ、ニア、や、やめろ」
メロを口に含んだままニアは上目遣いでメロを見つめた。普段と違い頬に
赤みがさし、黒い大きな瞳は妖しい光が宿っているように見えた。
ニアの表情にメロはさらに興奮し今にもニアの口の中に欲望を吐き出しそうだった。
悔しい!!こんなヤツに!こ、こんなすぐにイカされるなんて屈辱だ!
「やめろ!!」メロは絶頂に達する寸前にニアを引き剥がし、
ニアがしりもちをつく くらい勢いよく突き飛ばした。
「ゲホ」いきなりの行動にニアはむせこんで、荒い息遣いでメロを見つめた。
口元から先走ったメロの体液をだらりと流している
その姿は幼い少年には見えなかった
妖艶でたとえようもなくエロティックに見える。
人間の欲望に火をつけ燃え上がらせる 淫魔のようだ。

コイツはこんなだっただろうか?いつからなんだろう?興奮と邪念がメロの中に
渦巻きニアに向かって叫んだ。
「な、なにも知らないガキみたいな振りして!!この淫乱野郎!今までも
こんなことしてたのかよ!そうやって男をたらしこんでたのかよ、Lもか!!」
ニアの目に怒りと侮蔑が浮かんだ、「Lを侮辱するのは許さな…」
「だまれ!!」メロはニアに覆いかぶさり口をふさぎ組み敷いた。上の
パジャマを剥ぎながらニアの体を反転させ、背中を足で押さえ込みながら
メロは自分の服も脱いだ。「望みどうりヤッてやる!だが、抱くんじゃねえ陵辱だ!」


濡れてなければ痛い位の知識はある。メロは自分の指を舐め、ニアの足を開き
双丘の奥に差しこんだ。「!!」ニアの体が痛みにひくついたようだ。だが
抵抗はしない、メロは指の抜き差しを繰り返した。かなりキツイ、泣き叫んだら
やめてやるのに…強情なニアを泣かせてやりたい気分が高まるばかりだった。
メロは先ほどの 刺激で相変わらず昂ぶっている自分自身をニアの
背後からあてがい強引に突き上げた。
「!!!!!」ニアの体中が声にならない叫びをあげる。
狭いニアの中でメロ自身も擦れて 痛みが走った、
突かれているニアは相当なはずだ。だが、メロはやめたくはなかった。
ニアの中は…まるで、産まれる前にいあた場所のような…いつか還っていく場所のように
心地が良かった、メロは頭の芯が痺れるような感覚にとらわれてグイグイとニアに
覆いかぶさるように挿入した。
『すごい…気持ちいい』。メロはニアの体をむさぼった、柔らかい肌はすいつくようで、
体中から良い匂いがした、せっけんの匂いだろうか?ハウスで使用しているものとは
違う香りだ…これはニア自身の香りなのかもしれない…
ぐいぐい体を進めるメロのは汗に包まれ、体中が熱を帯びていた、
吐く息が自分でも熱い。
だが、下に押さえ込んでいるニアの体は逆に熱が引いてきたのに気がついた
白い肌も青ざめてきている。あまりの痛みに体がこわばってしまったようだ。
ニアの手はシーツを破らんばかりににぎりしめ痛みに耐えている。
「ニア…」この反応…ニアは初めてなんだろうか?メロは体の興奮とは
違う動揺を感じ、動きを止め繋がったままニアの耳元に顔を寄せた。
うつぶせに見えるニアの瞳は涙が浮かんでいたが、
必死で流れるのを押さえているのがわかる。
「痛かったら痛いって言えよ…どこまで、負けず嫌いなんだ…」
思わずメロは優しくつぶやいてしまった。
「……い、言っても…やめないでくれますか?…メロ?」
「ニア…」メロは衝撃を受けた、
どうして…こんなに簡単な答えが思いつかなかったのだろう 。
ニアがオレに抱かれている真意…




「お前…オレの事が好きなのか?」

ニアはうなずくとも顔を伏せるともつかずに頭を振るい
「私は……メロと…一つになりたい…です。」
ニアは苦しそうにつぶやいた。
メロはその小さな白い体を思わず抱きしめ、銀色の髪をなでた。
そして腕をニアの下腹部に回し、痛さで萎えているニアのペニスを優しくさすった。
「あ…ん」ニアが痛みとは違うため息をもらした。
「いいか、ニア、力抜け」「はい…メロ」。前をゆっくり愛撫するとニアのものも勃ちあがり
こわばっていた体もだんだんと熱を持ち出した。
「ん、はう…メロ…ん、あ…」ニアの甘いあえぎ声にメロもたまらなくなり、
止めていた腰をまた 動かした。
ニアも慣れてきたのか強い痛みはなく奥まで到達した。ひとつになるのがこんなに
甘く気持ちがいいものだなんて、メロは感動すらしていた。
「ニア、動くぞ」
「はい。」
メロはゆっくり腰を動かしはちきれんばかりのペニスを抜き差した。
「あ、あ、あん、はあ、あ…あツツツツ!」
優しくするつもりだった、だが、ニアがあんまり甘い声で叫ぶので自制が効かなくなり
いつしか激しく腰を動かした。
「メロ…メロ…私…もうだめです…」ニアはもう達しそうだった。メロはニアの前を押さえ
「だめだ!まて…一緒にだ…ニア」
一層激しくニアを突き上げ、メロはニアの中に熱く自分の精をほとばしった
同時にニア自身を押さえていた手もゆるめニアものも解放した。
「ああああああん…!!!!」ニアが嬌声をあげて果てた。
荒い吐息と心臓の音が重なりどちらの体がどちらのものかわからない中2人は
折り重なり倒れこんだ。


「大丈夫か?」終わった後、メロはニアに問いかけた。
ニアはつけたままだったメロのロザリオに口付けするかのように
メロの胸に抱きつき、顔をうずめ離そうとしない。
「お前、チビのくせに馬鹿力だなあ、痛いよ」
メロがこぼしてもニアは構わずメロを抱きしめ続ける。
そのまましばらく2人はベッドに横になりまどろんだ。
ベッドサイドのランプの光の中、ニアの銀色のつむじが息をたてるたび揺れた。
こんな風に体をあわせていると、さっきの行為で疲れ果てていたはずの
体がたちまち回復して行くのをメロは感じた。
新たな願望が次々生まれだしてくる。
「起きろよ、ニア!」強引にメロはニアを抱き起こし、胡坐をかく姿勢になり
自分の膝の上にニアをまたがらせた。メロのものはすでに勃ちあがっている。
「乗れよ、この上に…」 今度はニアの顔を見ながら抱きたい…。
メロはニアの秘所をまた指でほぐした。さっきの体液でそこは濡れていたので
指はスムーズに動く。
「ん、ふう…ん…」ニアが軽く喘ぐ。
ニアの腰を持ち上げメロの先端に押し当てる、慣らしたとはいえ、まだ2回目で
この体位はキツイようで、ニアは痛そうだったが、メロの肩にしがみつくように手を
のせ、むしろ自分から進めて腰を落とした。
刺激でメロのものがますます硬く膨張したがニアは苦悶の表情を浮かべながらも
メロに貫かれた。
やっと根元まで埋まるとニアは荒いため息をつき顔をあげる。
痛みと快感を同時に受け華奢な体は小さくふるえている。
小柄なニアの体はメロの膝に乗ることで丁度、2人の目線が合う。
汗ばんだ肌と潤んだ瞳でニアはメロを見つめた。
メロは熱く甘く繋がった体とニアの吸い込まれそうな瞳に我を忘れそうだ。
ニアの顔をこんなにまじかで見たのは初めてだ。
大体コイツは普段、人の目を見ようとしない、いつもそっぽを向いて…オレを
見ようとしない…だから、オレは腹が立ってしょうがなかった…
その不遜な態度を、自分より優れたLにしか興味を持たないようなその態度を!
オレはいつでもコイツに勝つことで事で頭がいっぱいだった。

オレは…ニアに勝ち、ニアをふりむかせたかったのか?
それではまるでオレがニアに…

ニアの手のひらがメロの頬をつつんだ、真向かいに向き合い
ニアの瞳にはメロが映っている、その下で柔らかく半開きの唇が
誘っているように色づいて光っている。
メロは思わず反射的に顔を近づけニアにくちづけをしてしまった。

…キスなんて、まるでニアの事を好きみたいじゃないか…
負けを認めるようで悔しい…。頭の中にはそんなセリフがかすめたが
体はいうことを聞かず、顔を何度も左右に動かし、
ふんわりしたニアの唇をぞんぶんに味わう、そのまま舌をニアの口に
すべりこまそうとした、ニアの歯は最初とまどったように閉じていたがメロが
中に入りたい事を理解すると口を開けた。
メロはその動作に唇から少し顔を離した。
「お前…もしかして、こういうキス初めて?」
「…ええ…」
メロはなんだかとても愉快な気分になった。
「じゃあ、オレが教えてやる。」
また口づけてニアの口の中に舌をからめる、ニアもそれに合わせメロの舌を吸った。
はあはあと息を継ぎながらも二人はキスをやめなかった。
このままニアを食べてしまうんじゃと不安になる位、メロは深く口づけ、
ニアもそれに返した。
ニアの腕がメロの首に回り二度と離さないといわんばかりに強く抱きしめる
お互いの間に1ミリの隙間もあるのも嫌だった。
メロはニアの体を抱き息が耐えても構わない位、2人は深い深いキスを繰り返した。

「ハア、ゼエ…ふう…」酸欠寸前になってようやく2人は唇を離した。
頭の奥がジンジンと痺れる。目の前のニアはすっかり上気した薔薇色の頬をして
メロをうっとりした目で見つめている。メロの金色の髪をなで
「メロ…綺麗です…。」
2度目のキスはニアのほうからだった。
甘くついばむようにメロの唇を吸い
「好きです…メロ」 ニアはそっとほほえんだ。
ニアは不愉快な表情はよく顔に出すが喜や楽の感情はほとんど表にあらわさない、
お気に入りの玩具をいじってる時はごきげんのようだと感じる位だ。
そのニアが嬉しそうにオレを見つめている。ニアのこんな顔を見たことがあるのは
オレだけだ、メロは直感した。
メロが見つめ返すとニアは柄にもなく恥ずかしがった素振りをみせ、
顔をコテっとメロの肩に乗せた。
可愛くてしょうがない、メロの心は甘い感情で支配された。
さっきは妖婦のようだったのに…今は裸で男に繋がっているくせに純白の天使のようだ
美しい銀色の癖毛も大きな目も小さい鼻も少し厚みのある口も全部独り占めしたくなる。
メロはニアの背中を腕と手のひらで存分に撫で回し、
自分と繋がっているニアの双丘をつかみ小刻みに揺すりだす。
「はあ…ん……ン、アアアん」ニアがせつない喘ぎ声をだす。
その声に煽られるかのようにメロの動きは大きくなった。
ニアのほうも自分から腰を使う事をおぼえ、中にいるメロ自身を締め上げる。
「ツツ…ん、ニ、ニア…お前、何でも上達が早すぎるんだよ!」
ニアの行為でメロはいっそうたぎる自分自身をもてあまし、
この狂おしくも甘い呪縛から逃れようと激しく腰を突き上げた。

「あ!!!メロのほうこそ…んんん、ハアーーー!!ん、気持ちいい!!ああ
気持ちいいです…メロ!!」
「もっと声を出せよ!もっとオレを呼べよ!」
「ウウん、はあ…メロ、メロ…ああ、好き…好きです。」
2人は髪を振り乱し絡み合う、薄明かりの中、金と銀の炎が燃え上がるようだ。

汗が飛び散り、ニアが絶頂を向かえメロの腹に体液を撒き散らすのと
メロがニアの中でほとばしるのは同時だった。

いつの間にか、月は姿を隠し窓の外は雨が降っていた…
ニアは疲れきってメロのベッドで寝息を立てている。
メロはボトムだけ履き、上半身は裸のままベッドに腰をかけ考えていた。
チラリとニアの寝顔に目を向ける。自分より年下でまだ、
あどけない顔をした子供だ。
こんな子供が体を投げ出してまでオレの説得に来たのだろう。
2人で「L」を継ごうと、キラを倒そうと。
ニアが慇懃無礼に指示を出し、オレが実行部隊になる。
任務が終われば
『お前は人使いが荒すぎるんだよ!』と文句をいいながらコイツを抱く。
オレの心一つでそんな未来も実現可能だ。その現実はすぐそばにあり
甘美な香りも放っていた。
それがBESTな選択の気もする…ニアにもLにもワイミーズにも…

だが…

メロは立ち上がりサイドボードの上着とチョコレートをとり
バリッと齧った。
そんなやり方はオレのやり方じゃない!
オレがニアと組む時があるとしたら、ニアに好きだという時があるとしたら
ニアに完全に勝った時だ、オレが1番になった時だ!

メロは服に腕を通そうとして、胸元がひっかき傷だらけなのに気がついた。
あまりに滅茶苦茶に激しく抱き合ったのでロザリオがすれて出来たもののようだ。
寝ているニアのパジャマの襟元からも同様な赤い傷が覗いている。

この傷が消えない刻印になって2人の体に残ればいいのに…
メロはなぜだか、そんな事を考えたながら、荷造りした鞄を手に取った。
ドアのそばまで行ったが、音もなく踵をかえし、ベッドのそばに行き
寝ているニアを見下ろした。汗で張り付いている髪の毛を額からそっと
はがしてやり。寝顔をみつめ、

「…お前のほうがずっと綺麗だ…。」

優しく口づけた。

そして、その後は2度と振り返らず部屋を出て行った。
遠くで聞こえるはずがないワイミーズハウスの門が閉まる音を
ニアははっきりと耳にした。


おもちゃに囲まれ、片手に板チョコを持ちながらニアは日本捜査本部と
連絡を取っている。
「MR.相沢、先日はご協力ありがとうございました。おかげで麻薬グループを
取り押さえることができました。」
「お力になれて幸いですL。」
「で、早速で申し訳ないのですが、また皆さんのお力をお借りしたいのですが。」
「え…ええ。」
相沢の口調には明かに「また?」という意味が込められている。
別に相沢は協力するのを嫌がってるわけではない、
Lを継いだとはいえニアがあまりに精力的に仕事をこなすのを
いささか不思議に思っているのだった。
これは相沢に限った事ではなく、いくつもの事件を平行して捜査しているので
頻繁に協力を要請する元SPKのメンツにしても同じ反応だった。
皆、ニアはキラ事件には執念を燃やしているが、それ以外の世俗の事件には
あまり興味を持つとは思っていなかったようである。

「どうも私は人から誤解されやすいタイプのようですね。」
唇を少し尖らせニアは通信を終えた。
しかし、考えようによっては皆の見解は無理ない事なのかも知れない、
キラ事件を境に私は色々変わったし、その変化に周りがついて来てないだけだ。
だが、いずれそれも慣れるだろう。
今の私は「N」ではなく「L」だという事に、メロの魂と共にLをやっているのだと
いう事に…。

あの夜…私はメロがハウスを出ていく事はわかっていた。
そして、それを止めれない事もわかっていた…。
それでも私は肌を合わせ、メロに伝えたかった、私達が2人で一つだという事を
魂も体もお互いがお互いを必要とする半身だという事を……。
そしていつか私の元に帰ってきてくるようにと…。

だが、私の目論見は、私の願望ははずれてしまった。
私の勘はいいほうだが、はずれる事もある。
私はメロが死んだら自分も死ぬだろうと何となく思っていた。
だが、メロの逝った今も私は生きているし、近々死ぬ気配もない
人間というのは案外図太いものだな…。

ニアはぼんやりと窓の外に目を向ける。
以前は風景はモニター越しに見るものだったが、最近は窓越しに見ることも
多い、これも変化のひとつかも知れない。
メロは外が好きだったからな…

空は夕暮れに近づき、雲の切れ間から金色の光がこぼれ地上に降り注ぐ
ジェイコブズ・ラダー・天使の梯子が出来ていた。
天国に行く梯子…黄金の輝きの中、かの人の姿が見えたような気がしてニアは
目をしばたたいた。
外には美しい風景が広がっているだけだった…
ニアは手に持っていたチョコレートを齧る

最後のキスの味がした。


END



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初エロです。まさか自分がエロを書くとも文章でお話を書くとも思ってなかった去年の私が見たら驚くでしょう。
センチメンタリズム溢れる作風は本人とは別人のようです。
いやー文を書くって面白いですね、知らなかった本性に出会えますよ。