「Never Land」

前編




半透明のゼラチンにつつまれたかのような心地よさ、
俺は自分が人なのか液体なのかも忘れてしまい
上もなければ下もない無重力の自由を手にしている。

いつもせわしなく動かしている思考が緩慢だ。
なにも考えられない、いや、なにを考える必要があるのだろう
今、たとえようのない幸福に満たされているのに?

果てしない解放感につつまれ雄叫びをあげたいほどの喜びを感じている
この感覚を知るために俺は生まれてきたのかもしれない
と誰にともなくつぶやいた。

それが、誤りだった。
言語は思考を呼び覚まし、俺の形を形成する。
液状だった俺は固体となり瞼という扉の隙間からするどい光を感応した。

朝日だ…いや、もう昼日中だろうか?
やわいゆめうつつの皮膜は剥ぎ取られてしまった。

ゆったりと覚醒がおとずれるとともに、蒸し暑いベッドに全裸で寝転んでいる自身を認識した。
シーツには赤い血痕が散らかっている。
怪我を負うヤバイ橋を渡るのは日常茶飯事なので驚きはしない
しかし、今朝の身体は傷あとの痛みというより、疼くようなだるさのほうが強いようだが…?

覚醒が足りない、ハイになるためのチョコレートが欲しい。
軋むベッドを抜け出しキッチンに向かう。

夏は嫌いだ、チョコが溶けてしまうから。

冷蔵庫にしまっておかねばならないからな、面倒くさい。

キッチンの白黒ダイス模様の床はひんやりとして心地よかった
少しご機嫌を取り戻した俺は、端にある冷蔵庫に向かおうとしたのだが
そこでおもわぬ障害物に出くわした。
大きなスーパーの白いビニール袋がゆく手を阻んでいる。

なんの買い物をしたっけ?覚えがない
早くチョコを食べて気つけをしよう、俺は裸の足で袋を蹴飛ばす。
「…!」
それは何かの音を発した。

床に落ちている白いそれは袋などではなかった、銀色の頭髪と白いパジャマを上だけ羽織っている、
人間だ…。

ようやくハッキリと目が覚めた。そうだこいつはニア!

ゆうべ、この部屋で犯したニアだった。

「何寝てるんだよ、こんなところで、ああ、冷たくて気持ちがいいのか?ベッドは暑いからな」
俺は上手にニアの体の隙間をまたいで通り越す。
蹴飛ばしてよけるには重いし、踏みつけるには足場が悪いからな
歩きながら見下ろすと、ニアは前髪の奥からなんとも恨めしそうな瞳で俺を見上げている…
その惨めな姿を見ただけで、もうチョコレートの魔性になど頼らなくても充分なほど
俺はすっかり上機嫌になった。

鼻歌まじりに冷蔵庫のドアを開け、固く冷えた極上のチョコレートを齧る
今朝は痛快な音を立てチョコは割れた。

「み…水…」

ニアは床につっぷしたまま、つぶやいている。
「なんだ、水が欲しかったのか?」
「はい…」
素直に答えたものの、その響きは悔しさが満ちている。
ざまあない、世界の切り札であるLの後継者とあろう者が台所に這いつくばい力尽き
自分を犯した人間に水を乞うているのだ!

さらに愉快な気分になった、いいともたっぷり水をやろう
「今日の俺は機嫌がいいからな、とっときのヤツをやるぜ」
ペットボトルの奥にある瓶詰の上物を取り出し指で金属の栓を弾き飛ばす、
ニアはよほど乾いていたのか、水の匂いをかぎとったかのように顔をもたげた…

その年齢に似合わぬ幼い顔と目があった、黒い大きな瞳……
俺は瓶を傾け勢いよく、その顔に水をぶちまけた。
ジャバジャバと景気の良い音をたて飛沫が飛び散る、ぐしょぬれになったニアの頭髪の隙間から
普段は生気のない洞穴のような目に怒りが宿っているのが見えた。

「この…ゴミ野郎が…」

水たまりをはいずる哀れな物体から飛び出す愚弄の言葉は俺には福音みたいなものだ
空になった瓶を床に放りだすと祝福の鐘の音のごとき音まで響く
今朝はなんてすがすがしい日なんだろう!

俺も濡れてしまったので、そのままバスルームに直行した、熱いシャワーをひねり体中に受ける。
あまりの爽快感と楽しさに讃美歌が口からこぼれてしまう。

「ハレルヤ!」


シャワーを浴びながら、体中が汗やら体液やらにまみれていた事にようやく気がついた。
なぜ不快感を覚えなかったのか不思議な位だ、特に性器は血がこびり付いている。

ああ、シーツの血の跡はニアを引き裂き、突き破ったその証か
そうなると洗い流すのも惜しい…そんな思いが頭のすみをよぎったが
したたる熱い湯はそんな俺の感情などおかまいなしに勝利の血痕を汚れとして洗い清めた
こげ茶色だったニアの血の跡はうすいピンクの液体になり
銀色の排水栓の奥へとすいこまれていく。

排水構の中にはきっと無情が詰まっているのだろう。

ぼんやりとした湯気の中、それを見つめながら俺は昨日からの記憶を巡らしてみるのだった。



◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



うだるような暑い午後だった、特に湿気がハンパねえ、古い建物だからな
空調も音がやたらとデカいわりに、お粗末な冷気を吐き出すのが精一杯のようだ。

2カ月前にしつらえたこのアジトは選択ミスだったかと後悔した。
4ブロック先の新しいビルの1室のほうが快適だっただろう。
いや、あのビルの管理人はマフィアとつながりがあった…
ロッドのファミリーとは敵でも味方でもなかったが、
マフィアに知らせない俺だけのアジトを作るのが目的だったので選択しなかったのだ。

選んだこの部屋は以前、学生寮として使われていたらしい、住宅街と学生街の挟間に立地し、
門から建物まで中庭をはさんでいるので通行人から目立たない。
そして秋には取り壊しが決まっていて住人はまばらだった。
いわば暗黒街から縁遠い呑気な街のエアポケットで俺には都合が良かったのだ。

この春にはニアがSPKを立ち上げている。
国家の後ろ盾を得ているのだからキラに対して重大な何かをつかんだのは明白だ、時間はない、
ニアを出し抜いてキラをしとめるのはこの俺だ!

暑さの中、いかに「重大な何か」をエサにマフィアどもを利用するかの算段を机に向かって
練っていた、空調とパソコンの機械音が頭の中にツウ…と響き、意外にも集中力を
アップさせている。
窓の外から車の流れる音が幽かに聞こえ世界とつながっている
事実を俺に教えてくれる夕暮れ、
唐突にブザーがなった、古いインターフォンは壊れていて会話はできない。
上の階の学生が頼んだピザを間違えて運んできた事があったな、
その類だろう?俺は気軽に、だが念のため革のパンツに小型の銃を突っ込み、ドアを半分開けた。

そして、あらぬものを見た!
そこには白い服…(正確には寝間着だろう)をまとった子供がたっていた。
髪も肌も白いのに瞳だけは漆黒、そのなりだけで非現実的。

こいつを俺は知っている…いつもいつもいつも俺を煩わせていた存在だ。

「ニア…」
そう、これが奴の名だった。

俺は、扉の前で起こっていることが理解できなかった幻覚か?幻覚かもしれない?
なにせニアの姿は4年前からほとんど変わっていない
年下とはいえ奴も、もう青年に近い年齢のはずだが…?

「お久しぶりです、メロ」
言葉を発した、どうやら現実らしい。
「ドアを開けて入れてください。」
淡々としながらも当然といった口調に、思わずフルに開けてしまった。
奴はすすめもしないのに部屋に入ると椅子に直行し
すわり心地が悪いとベッドマットに座り込み
暑苦しいですとほざきながら靴を脱ぎ捨て、サイズの合わない白靴下の足をぶらぶらと揺らす。

相変わらず礼儀知らずな奴だな。

前の住人がおいていったパイプベッドに幼いままのニアがただずんでいると
時間が逆行したような奇妙な感覚に襲われる、

ワイミーズハウスにいた時のようだ…

あの頃からニアと二人になるのは苦手だった、ニアをみていると嫉妬、敵愾心、
ダークな感情が渦巻き、体が蝕まれるような気分を味合わされたものだ。

そして、それ以外にも得体の知れぬ、居心地の悪い感覚が俺の中にあったのだ、確かに。

俺をさいなむ、名前をつけたくない「それ」を無理やりねじふせ抑え込んでいた当時の感覚が
ニアを前にして如実によみがえってきた…

「なんの目的だ?」
俺は過去をふり払うかのように単刀直入に聞く。

「……」
「どうやって、ここを突き止めた」
「探したのです…必ず今年あなたが動くと思っていましたので」
「なぜだ?」
「私が動いたからです。」


「ずいぶん、自信過剰だな、4年間も俺がお前の動向をはっていたとでも思っているのか」
「はい」
うつむきかげんからニアは少し顔をあげ、うす笑いを浮かべた、まったく気分の悪い、したり顔だ
ニアは俺たちがSPKにスパイを送り込んでいる事まで察しって探りを入れているのかもしれない?
まずいな…ここは動揺せず撹乱せねば、

「SPKなる組織が出来ている事くらい知っていたさ、今の時代にキラにはむかおうなんて考えるボスの検討もな、
だが、俺はもう裏社会の一員だ。キラとLの小競り合いなど興味ない!その俺にSPKのお前がなんの用がある?」

俺は革靴のまま片足でベッドを踏みつけ、座っているニアを腕組みして見下ろし、威嚇した。
レザーの上下に銃、どうみたって堅気ではない。

しかし、ニアはひるむどころ目を少し細め、のたまった。
「変わってないですね、メロ」
「髪型も黒い服が好きなところも同じです…あの12月の冬の日から変わらずあなたは
キラを憎み、私を負かす事ばかり考えているのでしょう?」

図星をつかれ思わず息を飲んでしまった、
そう確かに…この4年間俺が考えていたのは一番になること、
すなわちニアを倒すこと、いつもいつもそればかりが俺を占めていたのだから!

こちらが一瞬黙った事でニアは自分の推測が当たった事を確信したようだ、ご満悦に口の端をあげる。

なんだ、その勝ち誇った顔は!その顔、その顔が気に入らないんだ昔から!

「お前なんかに俺のなにがわかる!」
衝動的に腕が宙を舞い、ニアの体をひっかくように突き倒した
パジャマの第2ボタンが弾け白い体がベッドに倒れこむ。

鎖骨が露になり上着の隙間から覗いた。

俺は背中が熱くなった、副腎がアドレナリンを放出し、それは全身を駆け巡る。

少年の頃、抑え込んだ感覚の名前が……今はわかる
認めざるを得ない。それは、

「欲望」。

子供の頃からニアは妙な艶めかしさを放っていて、それは俺をむず痒くさせた。
他の少年にも少女にも感じない、ニアにだけだ。

ある日ニアの夢を見た。夢なので脈絡などなく内容も覚えていないが彼の服が裂けて
肌が見えていた、その白さがいきなり世界一体を包み
俺はとりこまれてもがいている。

そして、目が覚めたとき夢精していた。

その時の羞恥と自己嫌悪たるや、ゲシュタルトが崩壊する勢いだった!
単に思春期の体と海馬のきまぐれが見せた現象に過ぎないと己を抱きかかえて言い聞かせ
そしてやっと忘れた。

…忘れたと思ったのに…こいつはまた俺の前に現れ精神をかき乱そうとするのか!

もう許せねえ……、今日でくだらない妄想と決着をつけてやろう!
隠されてるから気になってしまうんだ、夏でも肌をみせない気取ったコイツの全てを
ひんむいてやる。
謎めいた天才という肩書をひっぺがせば、ニアはただの小僧だ
コイツの貧弱なペニスや胸板を目の当たりにしたら性欲どころか笑いがこみあげるだけだろう。

秒数にすれば一秒もないだろう一瞬に俺は考え、
そして、いきなりの衝撃に訳がわからない様子でベッドに倒れて俺を見あげるニアに
思い通りの行動をしたのだった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


その後……

その目論見は半分成功し、半分失敗だった。
なぜなら裸にしたニアを前に、俺はかってない欲情を覚えてしまったのだ。
過激さを自認している俺だが、あんなにも理性が飛んだのは初めてだった
羞恥やら嫌悪やらニアに対して抱いていたはずの人間らしい感情が消え、得体の知れない声を上げ
素肌に覆いかぶさり、奴を貪った。

野獣と化した俺には相手の悲鳴は甘い餌にすぎない、腹這いに抑え込み、抵抗がゆるむよう首を絞める、
もちろん手加減はしている、死んだらつまらないからな。
そして、酸欠でぐったりした頃あいにニアの腰を持ち上げ、
男の体を無理に割り、猛り狂った俺をねじ込んだ!

「い…!!!」
痛いという言葉さえ崩壊して宙に舞う、元より暑い部屋はこの頃にはすでに汗と
あがった息と血の匂いにむせかえっていた。

ニアの中は初めは窮屈でしかたなかったが裂傷から流れ出る血が
うまい具合に潤滑剤の代わりになり、俺は小気味よく腰を動かせた!
こんなに気持ちの良いセックスは初めてだ、どこの誰が隠していたんだ
こんないいものを!因縁のようなジョークを独り言のように吠え、
自分で大笑いした。

「く、くし…くるし…  やめて、メロ…」

汗にまみれた白い体がピクピクといやらしくひくつき、
乞うようにニアが俺の名前を口にすると、さらに異様な興奮が俺を襲う
我慢できずに白い精をニアの中にぶちまけた。

言葉には出来ないほどの悦楽。天国の切符を手に舞いあがるような幻覚……。
恍惚に酔いしれた。

しかし一度の体液の放出では、脳内麻薬の暴走を止まらない、
吐精後の倦怠感を吹き飛ばし、新たなる凌辱の準備を瞬く間にととのえる。
再び熱く勃ちあがった性器を手に今度はニアの身体を仰向けにして貫く事にした。
足の間を割って突っ込む!
先ほどの吐いた精液がずぶずぶと卑猥な音を鳴らしながら俺を奥へと導く。
そして小刻みな律動による悦楽を楽しんだ。

「う…うぐ…いた…   気持ちわる…  あう…」
ニアはもはや悲鳴とも嗚咽ともつかない声を時々あげるのが精一杯で
腕で顔を覆い、ひたすら痛みからの解放を待っているようだ。

あいにくサバトは休む間もなく続く。

終わったのは夜明け前だった。ニアの喉が焼き切れたような音をだしベッドから体ごと床に堕ちくずれた。
意識を失ったらしい。
親切な俺はニアに上着をかけてやった。

「明けない夜はないな、希望の朝だ」
残酷なセリフはニアの耳に届いたかどうかはわからない、どうでもいい
ようやく疲れを覚えた俺はそのまま眠りに堕ちたのだった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆



昨日までのいきさつ反芻しながら金色の長めの髪をタオルで乾かす。

体は重いのに気分は上々なのは、4年分の欝憤を吐き出したからだな…

ジーンズだけを履きバスルームを出ると、キッチンのニアの位置が動いていた、
先ほど浴びせた水は目覚めには役立ったようで、自分でペットボトルを取り出し
冷蔵庫のドアに背中を預け水を飲んでいる。
ひざ立ちで投げ出された脚にはニア自らの血の跡が曲線となって残っていた。

「処女喪失した女みてー」
可笑しくて、俺は明るい愚弄の声をかけてしまう。
下衆が…といいたげな眼で俺をにらんできた、やれやれ、まだ刃向う元気があるのか?

「なんせ、狭かったからなお前の中。もしかして本当に初めてか?てっきり大統領やら
長官やらを体でたらしこんでいたのかと思ったよ」

ボトルの水を半分飲んだ所でニアはようやくひと心地ついたのか、言葉をきりかえす。

「くだらない、体を交渉に使うなんてセックス以外に能力のない者だけです。
私にとっての身体は能力を動かすための器です。それ以上の意味も以下の意味も持ちません」


どうやら、ニアは自分には性的な嘲笑は無意味だと言ってるらしい、自分にとってはとるに足らぬものだと。

俺のすがすがしい高揚感は急にしぼんだ気がした。

では、夕べの強姦もニアにとっては器が傷つけられたに過ぎないのか?
まさか強がりだろう。
「じゃあ、俺にカマ掘られたのも喧嘩に負けたのと同じなのかよ?たいした事じゃないってのか?」

「……単純な暴力に一時的に屈したに過ぎません、喧嘩にもなりませんよ、
まさか、あんな事で一番になったつもりではないでしょうね、
あなたの望んでいた勝負はあんな動物的なものなのですか?
夕べの事は犬に噛まれたのと同じです、いえ、それ以下です。だって犬は犬なのだから仕方ありませんが
あなたは人間なのに犬まがいなんですから…
犬モドキに何をされようと私が揺らぐことなどありません」

挑発的な物言いだ、悔しがっているのは明らかだった。
だが、ニアのような無感情の人間はそれほどのダメージを負っていないのも事実かも知れない。

不愉快だ…!

俺が蹂躙し傷つけたかったのはニアの肉体じゃない! 心 なのに。


少年の頃のニアと性にまつわる羞恥がまたよみがえる。
自己否定と罪悪感にさいなまれていたあの日々。
そしてまだ生々しい夕べの俺の喘ぎが思い出され、見えるはずのない自分の痴態が俯瞰のカメラワークで
脳内をよぎった。まったく最悪の妄想だ!思わず自分の頭を壁に打ち付けてしまう。

俺の奇行にもニアは大した反応は見せず、わずかに黒目が丸く動いただけだった。

『チクショウ、こんな思いをするのはいつも俺だけだってのか?
俺にはニアが汚せないのか!?』

許せない…こいつにも死にたくなるような屈辱を味合わせてやりたい…

もう太陽が中空に昇り、室内の温度はまたぞろ上昇する中、体の芯は怒りで冷えていた。
チョコレートを食べようか、いや、まて、クールダウンが必要だ。

極力感情を抑え、座り込んでいるニアを見下ろしてみる…
餓鬼くさいその体と、うつむいている冷めた顔をずっと見つめる…
夕べの狂乱に眼窩は隈で囲まれ落くぼんでいる、その奥にある空虚な、光をやどさない目…

その時いきなりその瞳に答えが見えた気がした!

なんだ?簡単な事なんじゃねーか?

自分のひらめきに高揚し、俺は勢いよくニアに歩み寄った、伸ばされた腕に凌辱のリピートを予感したのだろう
負けず嫌いな彼も一瞬体が震える、
しかしニアの予想ははずれだ。

なぶられるはずの身体は羽根のように持ち上げられるのだった
そして母親が幼子をあやすように背中をなでられる…

とても優しく。

「シャワー浴びたいだろうニア?俺が洗ってやるよ。」

肩まで持ち上げたニアの表情は俺からは見えはしない。
しかし、予測不可能な事態への驚きと怖れで目を見開いているであろう事は
探偵の夢を捨てた俺にでも、いとも簡単に推理できる。


つづく。



「Never Land」後編






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マフィアメロを描くのは初めてだと思います。
いつもよりエキセントリック度をあげてみました。

パラレルではなく再開シーンの捏造も初めてのような?
辻褄合わなかったり不自然な所は見逃してくださいませ。

後編は前編よりは甘いはずですが…どうなるかな?

2009・8