「Honey Trip」
「会いたかった、メロ!」 ドアが開くか開かないかの瞬間に目の前は白で覆われた。 激しいほど強い力で抱きしめてくるのは俺の生涯のパートナー・ニア。 「ニア…俺だってずっと会いたかっ…」 言葉はくちびるでさえぎられ、柔らかな舌が侵入してくる 俺はそれを自分の舌で絡めて吸い、甘い吐息を味わうと 彼の両頬を手で覆い、こちらの舌を攻撃的にニアの口内に突進させた 体重をかけた勢いでニアは体をそらせるが吸い付いた舌を離すことはしなかった… 酸欠手前の心地いいめまいと無理な体勢に俺たちの体は 玄関のカーペットに崩れ落ちる… 「メロ……メロ…もう…離しませんから…」 「ごめんなニア…もう一人になんてしない…」 組み敷いた体勢のニアから俺は離れる事はせず、 頬と髪でニアの顔を撫でつつ手を上パジャマの裾にしのびこませる… 床にカーペットを敷くのは俺の美感に合わず最初は反対したのだが、 これのおかげでベッドまで行かずに楽しめるのだから今では大変重宝している。 きめ細やかな柔肌の感触を楽しみながら胸元まで手をのばす… 目で見なくても知り尽くした体だ、いつものように指を滑らすと、 小さな突起が俺を待っていた。 触るとたちまち先端に手応えがでてくる… 「すぐ固くなっちまって…そんなに俺を待ってたのかニア?」 「馬鹿…」 ニアは手を俺の首に巻き付け肩に顔を押しつけて見えないようにした、 赤くなった頬を隠すためだ。 ああ、もうなんて可愛いヤツだ! 色々とたまらなくなり 覆い被さったままニアを抱きしめ 無意識に腰をうごめかす… 硬くなった俺とニア自身がかすりあい お互いはちきれんばかりに成長する… 「は……あん…」 もれる吐息は五感を刺激した。 俺は一刻を争う事態に直面したのを悟り勢いよくニアのパジャマのボトムをはぎ取る そして白い2本の足を割るように開き体をすべりこませ… そそりたったニアのてっぺんに手を触れようとした…… そこで…… けたたましく、俺のポケットの携帯が鳴った、 邪魔するんじゃないと舌うちをし相手も確かめず電源を切る 「メロ?…」 ニアの黒い目は行為の中断を不服そうに責めている 「悪い…もう大丈夫だニア…」 続きを始めようと一旦離した体をまた重ねるように近づけると… 割れるように今度はモニタールームから発信音が響く、 ここの番号を知っているのはただ一人…… 「ロジャー…ですね…」 ニアも俺もしぶしぶと立ちあがった。 老人は我慢が効かない上、変に粘り強いものだ、 無視を決め込むより出た方が早い 口の中で不平を呪文のように唱えながらニアはのろのろと部屋へ向かう そして、おもいっきり不機嫌な声で通信に応答した 「なんですか、ロジャー?」 今いいとこなのに…と言いたげだがさすがにそれは抑えたようだ。 「メロがそっちに戻っているだろうと思ってね、あいつときたら 仕事の事後処理を全部私に押し付けて帰りおったんだ。」 …全部は嘘、半分位だ。 「まったくメロは子供のころからどうもツメが甘い所がある…。 ニア、メロと代わりなさい!」 だんまりを決め込む俺に代わってニアが気だるい声で応答する いかにも『いいかげんにしてほしい』といわんばかりだ。 「でも…メロを派遣するのは2日間の約束でしたし… これ以上は限界…無理ですよ、すいませんがロジャー 後はおまかせいたします。」 「たった2日でもう無理って事があるかね?」 ニアの血相が急に変わり 「今、なんとおっしゃいました!?」 強い語気でくってかかる 「なんて事を…ロジャー!たったの2日なんてー…随分大胆な事を 言いますね?」 「一体2日あれば何回メロと私がとセックス 出来ると思っている……」 通信はとぎれた… 正しくは俺が慌てて中断ボタンを押したのだが、PCの向こうでロジャーも 同じ事をしただろう……。 俺がニアの傍若無人さに呆れていると 「これくらい言わないと効きませんからね。」 まったく悪びれた様子はなく、俺に擦り寄ってきた。 猫のように体をなでつけ続きをねだってくる 「そうだな、これで当分邪魔は入らないだろう。」 俺はニアを抱き上げ、仕事部屋の出口に向かった。 「寝室と浴室どっちに行く?奥さん?」 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 「はあ…ん………メロ……。」 真珠のような肌を白いシーツの上でわななかせるニアは美しい 額には水晶のような汗、俺を呼ぶ声は天界の竪琴のごとく きよらかでもあり淫魔の誘惑のようにみだらでもある。 俺はニアの内股から舌を這わせ、中心にたどりつき思う存分 2日ぶりで熟れきり収穫を待っている果実をむさぼった。 口内で丹念に絞り上げ、軽く歯をたたせるだけで ニアの奏でる音楽は歓喜を越えて泣き出しそうな悲壮感をただよわせ なめらかな肌はいっそう小刻みに揺れ桃色に色づき輝く… その様子を感じているだけで俺の銃は全ての弾丸を装填し 乱射の瞬間をいまかいまかと待ちこがれているのだ! そういえば1年前の今頃はセックスにやる気がないと喧嘩になり 2週間くらいご無沙汰していた気がするな…… 今の俺には信じられない我慢強さだが 去年の俺がみたら、たかが2日離れていただけで 大騒ぎする昨今の俺たちは気ちがい沙汰に映るのだろうな… ニアと結婚してから1年…蜜月はさらに濃く煮詰まり とどまる所を知らない甘さを増すばかりだった。 ニアからも甘美な露がこぼれ初め俺の舌でからめとる… 我慢が限界のニアの顔ほど見ものはない… 半目をあけ上気しきった頬で哀願するように目元は潤い 口はややだらしなくあき、いまにも唾液がこぼれそうだ この上なく俺の官能と嗜虐心をわき上がらせる… 「メロ…メロ…今日は…ハア…あ…来てください…。」 「どこに?何を?」 俺はいったん身体を離し、口元をぬぐいながら意地悪く口角をあげ答えた… 「…わかっているくせに……挿れてください…メロのを…」 息も絶え絶えにはずかしい科白を言わせるのがたまらない 「いいぜ、俺ももう我慢できないし」 普段は体の負担を避けるためオーラルセックスが多い (なにせ回数が多いからな、まあ新婚だし仕方ないだろ?) だが、ニアは時には繋がった実感が欲しくなるようだし 俺も本能的に挿入したくてたまらない時もある ダーティな言葉で言えば今日は思いっきりブチこみたい! 思う存分突きまくりたい!! 俺はベッドサイドからローションを取り上げると たっぷり指に絡めニアの裏側のほうに滑り込んだ 「ああ!」 狭い内部は指が入っただけで軋むようだ それは拒絶の感覚ではなく待ちかまえて離さない! とすがりつくようだ…そしてさらにねだってくる…もっと早く、もっと奥へ もっと太くと… すっかりとニアが潤った頃合いを見て指をひき抜く… その動作だけで彼はもう達しそうだ それはもったいないので、刺激しないようゆるゆると指をとりだす そのこそばゆさによじれる白い肢体をかかえあげ 俺は銃口を一気に撃ち込んだ! 「は…あああああ!!!ん…」 甘い叫びが俺の脳天に跳ね返り全身が快感で朦朧とする 繋がれた内部は俺の熱とニアの熱で溶鉱炉のような熱さだ 汗で髪の毛がへばりつくのもかまわず奥へ奥へと進む… 俺たちの吐息が荒く絶え絶えになる頃 ニアの体に突き刺さった赤黒い男根が根元まで埋まり 2人の人間がひとつになる… 「ニア…俺たち、今ひとつだぞ…。」 「はい…感じています…メロの…大きくて…熱い…ハア…ん。」 「繋がったとこムービーにとって見せてやろうか?」 「や、やめてください!嫌!へ、変態!い、いやですよ!!」 ニアはあわてて繋がったまま手と首を振る 「冗談だよ。」 俺が軽く腰を動かすとニアはあっけなく弾けてしまった。 「ああ!…」 「早えなあ。」 「メ、メロが変な事いうから…」 下半身を自分で汚し羞恥と快感で震えながら涙声で俺を責めるニアは 火照った顔がなんともエロティック。 「なんだよ、やらしい事いわれて興奮したのかよ?」 「嫌!もう…嫌いですメロなん…あ…あっ!!!あー。」 「そんなよがり声で嫌だって叫んでも説得力あるかよ!」 俺は腰の律動を早めた、液体と肉体のぶつかる音が 部屋に響き、汗がとびちり水蒸気に変わる 「ああ…ニア…ニア、ニア!!」 「メロ…メロ…ん!!!!!」 お互いの名前を絶叫し、同時に果てた。 体は崩れ落ちるのに五感はまさに天にも昇る悦楽に満ちている… ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ フランス製のシャボンの香りが目の前の銀髪から漂い 花園に埋もれている気分に浸らせる… シャワーを浴び、洗い立てのリネンに取り替えたベッド、 空調からこぼれる清涼な冷気、腕の中にはニア。 行為の最中も天国を味わったが、終わった後のまどろみも また別の意味の楽園だ。 「良かったか?」 「最高…ですよ、いつもですが…。」 ニアはすりつき、キスをねだってくる 軽く唇をよせる…今日はもう眠ろうという2人の合図だ。 ニアは俺の胸に顔を寄せ目を閉じる… さっきの快感がぶり返したのか、 少し体をふるわせうっとりとした顔をした。 そのあまりの可愛さに、またむしゃぶりつきたくなったが 仕事疲れもあるし体を休めよう、火照りそうな体と頭を冷すか… 「暑いな…クーラー強めるか?」 「いいですけど…私は暑いのは好きですよ、去年は冷夏でしたけど 今年は暑くて満足です。」 「去年…?涼しかったか?」 俺には変わらず暑苦しかった記憶しかないのだが… 寝転がっているニアは意味深な上目遣いで俺を見つめる…… どうやら、気温の事ではなく去年の夏の冷戦をいまさら とがめているらしい まったくしつこいというか…記憶力がいいのも考え物だな… 「24日以降は孟夏だっただろ?ニア。」 銀色の巻き毛を指で絡めながら、さらに意味深な科白を返してやる。 ニアは口をとがらせたが、俺は意地悪そうに笑い羞恥心を煽るように続ける 「一睡も出来なかったじゃないか?お前があんまり熱いから…」 「メロのほうこそ…すごかったくせに…!!…。」 ニアは顔を赤らめて恥ずかしさからか大人しくなった。 どうだ?一年、夫をやっていると こんなじゃじゃ馬も乗りこなせるようになるというものだ。 以前の俺ならネチネチ言われた時点でキレてベッドから 蹴飛ばしていただろう 経験を重ねると言うことはまったく素晴らしい! 「もう一年か…」 ニアの誕生日に俺たちが結婚して新婚生活も一年が過ぎようとしている。 「ふふ…今年も楽しみにしていてくださいね。」 「何?また例のサプライズか?」 ニアは自分勝手なので自分の誕生日には自分の好きな事をするのだ 普段からわがまま放題なのに、そのスペシャル版をくらうのだから 巻き込まれる周りはたまったものじゃないのだが… 去年も俺とSPKは大変だったなあ…。 「しかしお前、こういうイベント好きだよなあ。」 「結婚生活を円満に続けるには節目節目のアニバーサリーを活用し 刺激とねぎらいを与え合う努力が必要だと私は考えています。」 演説をぶつニアはいつもながら偉そう! さっきまで俺をくわえ込んで淫らに喘いでいたくせにさ 「まあ、いいんじゃないか?俺たちどうせ子供はできないから変化がないし 意識的にイベントを作ったほうが確かに飽きないだろうな。」 ベッドヘッドに腕をのばしあくびをしながら俺は何気なくつぶやいたのだが、 ニアは動きがとまり黒い瞳は闇をはらみ上目づかいに俺を睨んでいる。 ニアの琴線に触れてしまったらしい… 「メロは子供が欲しいのです…か?」 その声は落ち着いているものの重低音でずっしりのしかかる 「……いや、だって無理じゃねえか……男同士だしさ…。」 「メロが欲しかったら作ったらどうです?他の女性と?」 さっきまでの余韻で薄桃色に包まれていた部屋の空気は 薄暗い青銅色に変わり音のない落雷のフラッシュが飛び散り ニアの大きな白目に陰影与え、むき出し!強調するかのようだ! 怖い………! 「バーカ」 俺はあらためて腕をひろげベッドの上のニアを包み込んだ。 「他の女とする暇があったら、一回でも多くニアを抱く。」 甘ったるい科白にこいつは意外と弱い 俺の体を二本の腕で抱き返し胸に頬をよせる… そのうち…手のひらは俺の背中をくだり 俺の中心に到達する…… もう一度……という2人の合図だ。 寝転がった俺の脚に馬乗りになり 今度はニアが俺をキャンディステックのようになめ上げだした 指先に負けない位、器用な舌がチロチロとはい回り 俺はあっという間に硬く勃ちあがり、ため息を我慢することができず 苦しそうな声を立ててしまう… ニアは満足そうで少し意地悪そうな笑みを向け 両手でつかんだ俺自身を口いっぱいにほおばり甘噛みする ニアは上のほうの口も熱い… 意識を体の中央一点に向け快感を味わっていると いきなり悦楽をぶっとばす痛感が走った! 「痛ッて!!」 「ごめんなさい…はずみで噛んでしまって…」 口元をぬぐいながらニアは謝ったが、絶対わざとだ…… 目が面白くてたまらないといいいたげにくるくる回っている この悪戯で気が済んだのか 充分に立ちあがったそれを愛おしそうに撫でながらキスをした。 「私以外に使ったらダメ……ですよ?」 「大丈夫…気になるなら名前書いておけよ?」 「メロったら……。」 ニアは軽く声を立て笑いゆっくりと体をおこし膝立ちになる そして俺の上に少しずつ腰を落とすのだった…… 今夜も眠れそうにないな… ひとりごちて苦笑する。 その時、 ロジャーからツメが甘いといわれた科白がなぜか頭をよぎった が、腰を動かす段になると、行為に没頭しすぐ忘れた。 ニアの揺れる体から雫たる汗を下から仰ぎ見て2人の一体感に陶酔し 俺のさっきの言葉などニアは忘れすっかりご機嫌を取り戻している と、うかつにも思いこんでしまった。 何年ニアとつきあっているんだ俺は? ニアがそんなタマなわけはなかった 年寄りの言葉はまさに金言であると、俺はそののち思い知る事となる……。 |