『Love Game <後編>』
ニアとメロの二人の勝負は、結果的にはニアの勝利に終った。 ただ、先に相手をあと一歩のところまで追い詰めたのはメロであった。 それでもメロは結果を甘んじて受け入れようと思っていた。 『ニアを自分の手で守る』というキラ事件では果たせなかったこと、それが叶っただけで十分だと思った。 「俺の負けだ、ニア」 「……」 「俺に『ワタリ』が向いているとは思えないが……まぁ、そのうち慣れるだろ」 「……気に入りません……」 そう呟くと、ニアは髪の毛を弄りながら伏目がちに言った。 「元はといえば、こちらがミスをしなければあなたの方が勝っていた。そうでなくてもこちらを見捨てて警察隊を……」 「マットがなんて言ったか知らないが、この世界は結果が全てだ」 「ですが……」 「俺が負けだって言ってるんだ。それでいいだろ……」 そう言ってメロはニアを抱き寄せた。 メロの腕の中、ニアは髪の毛を弄る手を止め、メロを見上げる。 だが、そのニアの表情は一向に晴れる様子はなかった。 「ははは、元はと言えば俺の物足りなさそうな表情が原因だったんだろ? なのに今度はお前がそんな顔をしてどうするんだ?」 「……」 「俺は自分のしたことを、これっぽっちも後悔なんてしてないぜ? 自分の思うように動いた結果なんだ、十分納得してるさ」 「……メロ……」 「それに……」 メロはニアを抱く腕の力を強め、優しくキスを落とした。 「おかげで、こうして再びお前を抱くことが出来るんだ。それで十分だよ」 「メロ……」 「お前を守るのは俺の役目だ、他の誰にも譲らない。なら俺がワタリをすることも理に適っている、そうだろ?」 そしてメロはニアのズボンを下着ごと下ろしながら、再び唇をニアのそれへと重ねた。 「メロ……私は、幸せ者です」 「そうだな」 今度はニアがメロのベルトを外し、ズボンを下ろす。 「人を愛すること、そして愛されること……どちらもメロのおかげで知ることが出来ました」 「ああ、俺もだよ。そんなこと、お前に出会うまでは必要の無いものだと思ってたよ」 お互いに晒された相手のモノを握り、それを上下に擦り始める。 「もう、いいだろ……?」 「そうですね……」 相手に心地よい刺激を与えられたお互いの自身は、すぐに反応して大きさと硬さを増した。 メロはニアのモノを握り込みながら、ニアをベッドへと押し倒す。 そしてニアの身体に跨り、目の前に突き出されたニアのモノを咥える。 ニアもまた、目の前に突き出されたメロのものを咥え、付け根を手で扱きながら舌先でメロ自身を舐め始めた。 「……んッ……」 「……いい……」 お互いに相手の敏感なところを知り尽くしている二人は、すぐに高ぶり、その証しを相手の口内へと滲ませ始めた。 ピチャピチャと卑猥な水音が響き、時折ニアのくぐもった呻き声がこだまする。 「……あ……っんん……」 「やっぱお前……上手いな……」 メロはニアの下によってもたらされる快感に下半身を震わせながらも、負けじとニアのモノを激しく擦った。 ニアのモノは小刻みに震えながらも、甘酸っぱい蜜をメロの口内へと滲ませ、先端がピクピクと脈打ち始めた。 自身の限界も近いと感じたメロは、ニアの口から自分のモノを抜き、身体を反転させた。 そしてニアを四つんばいにさせると、背後からニアのモノを握りながら自身でニアの後ろを貫いた。 「ああっ……メ、めろ……」 「ニア……」 メロはそのままニアの後ろへ腰を激しく打ちつけながら、右手でニアの付け根を激しく擦った。 既に限界に近かったメロのモノは、付け根から先端へと甘い痺れが走り、程なくニアの中で先端を弾けさせた。 ニアもまた、腰の奥にメロのぬくもりが広がっていくのを感じながら、メロの手の中で弾けた。 その後も何度もお互いを求め続け、その度にお互いの生を自身の身体全体で感じる喜びに浸っていた。 二人が何度も吐き出した精が、お互いの身体やベッドのあちこちに白く絡み付いていた。 その行為の激しさに、先にニアが体を動かすのを止め、そのぐったりとしたニアの顔へ自身の精を飛び散らしたあと、メロも程なくベッドへと横たわり、動けなくなった。 二人が行為のあとの気だるさに身を任せている時であった。 「……メロ……私、思ったんです……」 「……ん、何だ?」 ニアが珍しくゆっくりと言葉を選んで話し始めた。 「今回の事件で、私は初めて『ワタリ』という役を3人に任せました」 「……そうだな」 「そのこと自体には全く不便を感じることなく、むしろ好都合なことも多かったんです」 「そうか」 「それならば……」 そしてニアは、メロの精に塗れた顔を、メロの方へと向けた。 その表情があまりにも妖艶で、メロは思わず固まってしまう。 「『L』もひとりでいる必要は、ないのではないかと」 「……」 「私はメロ……あなたと二人で『L』になりたいです」 「しかし……」 少し難しい顔をするメロを見ながら、ニアは口元に流れてきたメロの精を舌先で絡めとった。 「ふふふ……美味しいです」 「お、おま……な、何恥ずかしいことをっ……」 メロは頬を赤らめると、ニアから目を逸らして天井を見上げた。 「……ダメ、ですか……?」 「いや、ダメとかじゃなく……」 メロも実は少なからずニアと同じことを考えていたのだ。 ただ、自分が負けた以上、そのことは言い出さないと決めていたのだ。 「……私は、かつてキラに向かって言いました」 「……ん? 何だ?」 「メロと私……『二人ならLに並べる、二人ならLを超せる』と」 「……」 「その思いは、今でも変わっていません……」 メロは再びニアの方へと顔を向けた。 だが、先ほどの妖艶な表情とは違い、今のニアは確固たる決心を抱く、そんな強い意思が感じられる真剣なものであった。 「……わかった」 「本当ですか?」 「ああ、俺はお前との勝負に負けたんだ。だからお前の言うことを聞く。それだけだ」 「ふふふ、相変わらず素直じゃないんですね」 「な、何言ってるんだ!? お、お前が言うから仕方なしに言ってるんだ!」 「まあ、そういうことにしておきます」 そして照れ隠しに、傍に転がっていたチョコを大袈裟に口にするメロに向かって、ニアは穏かな笑顔を向けて言った。 「ありがとうございます、メロ」 「どう? ニア、上手く行った?」 「ええ、マット。あなたの協力のおかげです」 メロとふたりで『L』を担うことになったニアは、マットの元へと訪れていた。 それは、メロの発案により、マットを『ワタリ』として召集する為であった。 その間メロは『L』として、ニアとの勝負の間に溜め込んでいた依頼をこなしている。 「それは良かったね。それにしても『こんなこと』をしてまでメロのことを試さなくても良かったんじゃない?」 「『試す』といいますと?」 「え!? メロが勝つ直前にニアが危険だって伝えたら、メロがどうするかって試したんじゃ……」 「そんなの、私を助けてくれるに決まってるじゃないですか」 ニアは、やれやれといった表情でマットを見上げる。 「確かに、今回の勝負に持ち込むまでの誘導、それとその勝負自体を偽装してメロを騙したのは確かです」 「ま、そのために俺にも前もって根回ししてたからね」 「そうです。そもそもメロがワタリなんて性に合わないのはわかってましたし、かといってすぐに『一緒にLをしませんか?』などと言っても、素直に受けてくれるとは思えませんからね」 「なるほどね、ということは……」 「はい、ですから今回の作戦の目的は、メロと私が二人でLを勤めることになる為のものだったんです」 「そっか、それなら最初からそう言ってくれればよかったのに」 「いえ、必要以上の情報があると、あなたの不自然さからメロが気付く可能性もあったので……あ……」 「そうだな、そう言われれば確かにいくつか思い当たる節がある。最初にあれだけ嫌がっていたマットが、いざ捜査に入るとやけに積極的だったしな」 「うん、まあね。その辺もニアに言われたとおりだし、前もってリンダにもメロのことを言って……ん……?」 「それに今考えると、ニアがマフィアに居所を掴まれるだなんてミス、するはずないしな」 なんと、いつの間にかそこへ予定よりも早く仕事を終えたメロが、姿を現していたのだ。 メロは不気味なほど平静な表情でチョコを齧りながらじっと立ち尽くしていた。 「……メ、メロ……ちょ、ま、待って、あ、あれ? ニ、ニアは?」 「ああ、あいつならさっき逃げていったぞ? ま、ニアのことは後でたっぷりとお仕置きをしてやるとして、とりあえず……」 「そ、そんな……前作と同じオチって、こんなの許されるの……?」 「は? 何訳の分からないこと言ってるんだお前……ま、そんなことはどうでもいい……」 そう言いながらメロは手に持ったチョコを放り投げ、拳の関節を鳴らしながらマットへと歩み寄り始めた。 「さ、今からお前にワタリとしての教育を施してやる。まずは……」 「わ、わわわ……め、メロ……?」 「ひとつ! 何があっても『ワタリ』は『L』へ絶対服従!!」 「うわ〜〜〜〜っ!!!」 ゴ〜〜〜ン!! リン、ゴ〜〜〜ンッ!!! そのマットの悲鳴は、ノーリッジ大聖堂の鐘の音にかき消されていった…… ―おわり― |
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いつもながらのラブラブながらニアのお尻にしかれっぱなし のメロと策士のニアと美味しすぎるマットいただきましたー いいですよねーラブコメメロニア^^! junさんのサイトにはこのシリーズ番外編も掲載されてますよ ぜひ、ご覧になってくださいね。 |
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