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外の雨はすっかり激しさを増している。 僕は部屋の椅子に腰掛けてうなだれていた。 後で後悔する位ならやらなきゃいいのに… 僕は自分の暴走と矛盾にうんざりした。 僕は無茶苦茶だ… 神を崇めてるのに 禁忌を犯し ニアが大好きで Lを尊敬しているのに 嫌がるニアを辱めて Lを汚させた…。 僕は自分の中の凶暴な野獣を封じ込めれたと 思っていたのに、 あの化け物は作戦を変え、檻のすきまから 密かに使い魔を送り込んでいるんだろうか? どうすればこんなモヤモヤした思いや 時折襲う残酷な衝動から 解放されるんだろう? もう、さすがにニアは僕を許してくれないかもしれない… でも、じっとはしていられなくてベッドの下から ロープを取り出した。いつもニアの部屋へしのんで 行くロープだ。 とりあえず、謝ろう…ニアに会いに行こう。 ベッドの足につないであるロープを思いっきり ひっぱると… ブチッ!!!! と音がしてロープが切れた!僕はひっぱった勢いで 体勢をくずし、壁にぶつかった 途切れて床に転がった綱は 僕とニアの絆が切れた事の象徴のように見える…。 僕は壁を背にそのままズルズルと床に座り込んだ。 雨の音と暗闇の中、チョコを齧った、 なんだか、苦くて食べて入られない… 銀紙ごと放り投げて、僕は膝をかかえた…。 そのままだいぶ時間がたったように思う。 ドアが音もなく開いた……。 白いシルエットがのぞく… 「ニア!」 僕が叫びそうになると、ニアは人差し指を唇にあてたまま 部屋に入って来た。 「ニア…来てくれたのか…。」 怒ってないのか? 「あなたが来ないから私が来たまでですが…。」 「行くつもりだったんだ…でもロープが切れて。」 僕たちは、もう終わってしまったのかと…そんな気になって という弱音は恥ずかしくて飲み込んだ… 「なんだそんな事ですか…」 ニアは部屋に落ちてるロープを見つけると、器用に結びはじめた 彼以外には誰もほどけないような複雑さで締め上げると 「切れてしまったら、また結べばいいんですよ。」 にっこり笑ってそういった。 コイツって意外と前向きだよな…。 「怒ってないのかよ昼間のこと…?」 「怒ってますけど……それより気になったんです。」 「メロの様子が変だったから…。」 …僕を心配してくれてたのか…あんな卑劣な事をした僕を 「ニア、ごめん殴っていいよ!」 バシイイイイ!!!! ニアの平手が僕にうなる 『本気かよ…』 「もう一回…」 ニアはベッドから枕を持って来て僕の頬に当てる… バキィイイイイイイィイイイイィイ!! 今度はゲンコだ、枕なかったら歯が折れたって… 殴った衝撃で白い枕から羽根が漏れ部屋に飛び散り 手に持った枕から瞳をのぞかせるニアに降り注いだ。 「これで…許してあげます。」 そして天使のように微笑むのだった。 僕らはベッドに座り、ひとつの毛布にくるまって ホットチョコレートを飲む、チョコは甘さを取り戻した。 こうしてニアの横にいるだけで僕はうれしい… ニアの髪にさっきの羽根がついているので、つまんでとってやる ニアの髪先に触れるだけで僕は気持ちがいい… 「ニア、そうだ、監視カメラに見つからなかったか?」 「……システムに潜入して壊しました…今夜は大丈夫ですよ。」 大胆さに僕が驚いていると 「ロジャー位ならごまかせます…私がやったなんてバレやしませんよ。」 とニヤっと笑う。 最高だ!ずる賢いとこも大好きだ、ニア! どちらからともなくキスをする…チョコの味のニアはいつにもまして 甘い…。からまる舌は熱い… 僕はパジャマのボタンに指をかけ…ハッと昼間の会話を思い出した。 「ニア…お前が女だったらなんて言って悪かった、僕はでも…その 女の子の代用にお前を抱いてるんじゃないからな!」 「わかってますよ。」 「ただ、僕らが男女だったら、プロポーズすれば話が早いのにと思って…、 ……あんな事いったんだ、ニア…僕はニアと一緒にいたいんだずっと!!」 ニアが優しく僕を見つめる… 「一緒にいましょうメロ…ずっと。」 「ずっと!ずっとだぞ、いいのか?ここを出ても大人になってもだぞ。」 「ええ、ずっと一緒にいましょう。」 ニアが腕を広げる、ぼくはその胸に滑り込み抱き返す。 最初に一緒に眠った時と同じように僕の周りに 銀色の煌きが飛び散っている気がする。 幸福だ…これをしあわせっていうのか! 僕は少し体を離しニアの両腕をつかみ顔をまじかに寄せる… そして、いつも心の中では叫んでいたが、本人を前には言えなかった言葉を叫んだ。 「あ、愛してる!ニア!!」 言ってから僕は恥ずかしすぎてニアの綿毛のような 髪の毛を引っ掻き回して照れ隠しをしてしまう。 「なにするんですか!」 ニアが体当たりで反撃してきたので、僕らは一緒にベッドから転がり落ちてしまった。 僕らは床の上で笑いあうながら抱き合う。 「私も愛してます…メロ。」 ニアも言った。 ニアの言葉は神の福音のように僕の耳と魂にまで響く… 僕らは起き上がってベッドに戻る余裕も無いくらい 早く愛し合いたくて床の上で肌を交し合った… お互いが唇と指でお互いを充分高める、 優しく、熱く、甘く、そしてとても激しく! そして、もっともっとニアが欲しくてたまらなくなると ニアが僕をニアの奥までいざなってくれた。 「ふ…うん…ア…。」 僕がニアの一番深い所までたどり着くとニアはもうたまらないように とろけるような声をあげる。 2人は結ばれたままキスをして、 そのままニアが潤んだ目で僕をみつめたまま 少し息をあげて僕の頬を両手で挟み、つぶやいた。 「私達がなぜ同性なのかわかりますかメロ?」 また謎掛け?どうしてだい?僕が聞く。 「私達は元は一つの人間だったからですよ…。」 「生まれ落ちる時に魂が半分に分れてしまったんです。 生まれた所も時間も違うけど、私たちは元はひとつなんです…きっと。 私は生まれた時から感じてました…私の半分を持った人がどこかにいるって…」 僕はニアの言葉が胸に染み入った… とてもとても納得が言った、僕らは魂の双子なのだ! だから僕らは似ていて、だから僕らは対照的で、こんなに魅かれて こんなにひとつに戻りたがっている…! 「僕らが出会ったのは、やっぱり…運命なんだね?」 僕の声は震えていた…どうしようもない喜びで。 「そうです、やっと見つけました…会いたかった…メロ。」 ああ!愛してるニア! ニアに出会うために僕の今までの日々があったんだ! 僕とニアはもう離れないよう、きつくきつく抱き合った。 そして合わせた心と体を揺らしながらお互いに悦びをわかちあう それはとても神聖な気持ちだった。 神様だって許してくれる、だって僕らは2人で1つだから… 僕らはさらにひとつに溶け合う儀式をいつまでも繰り返していく、 いつの間にか雨は上がって蜜色の三日月が優しい光が 僕らの上にふりそそいでいた。 |